驚異の新人ピアストリ、鈴鹿での日本GPが最高のパフォーマンス……マクラーレン代表「彼のパフォーマンスレベルには大いに満足している」
2023年シーズンにマクラーレンからF1デビューを果たしたオスカー・ピアストリは、2度の表彰台、そしてカタールGPのF1スプリントでの優勝など、印象的な活躍を見せた。 これが鬼才の仕事。エイドリアン・ニューウェイ作のベスト10マシン マクラーレンのチーム代表を務めるアンドレア・ステラは、このピアストリの1年目のパフォーマンスを振り返り、日本GPの3位が最も印象的だったと語った。 ピアストリはシーズン序盤こそ、マクラーレンのマシンMCL60のパフォーマンスが低迷したことに伴い、成績が振るわなかった。しかし中盤戦以降マシンのパフォーマンスが上がると、ピアストリの成績も上昇。6度の表彰台を獲得しピアストリの倍以上のポイントを稼いだチームメイト、ランド・ノリスのパフォーマンスには及ばなかったものの、印象的な活躍を見せた。 マクラーレンのステラ代表は、シーズンを通してのピアストリのパフォーマンスに満足していると語ったが、中でも特に鈴鹿での日本GPが秀逸だったと語った。 ピアストリは日本GPの予選で、ノリスを0.035秒上回り、ポールポジションとなったレッドブルのマックス・フェルスタッペンに次ぐ2番グリッドを確保。決勝ではスタート直後にノリスに2番手を譲ったものの、ピアストリはその後レースをコントロールし、フェラーリのシャルル・ルクレールを抑えて3位表彰台を手にした。これが、ピアストリにとってF1で初の表彰台獲得だった。 「鈴鹿のようなコースで、彼は2番グリッドにつけた。このことがどれほどのモノなのか、少し考えてみる必要がある」 そうステラ代表は語った。 「鈴鹿は高速なだけでなく、非常に狭いコースだ。しかも、至る所にグラベルがある。ワイドになってしまうと、全く容赦のないコースなんだ」 「彼が自分自身のことを冷静にコントロールし、不必要なストレスを抱えないように、常に自分の可能性を最大限に活かすという能力は、並外れている。彼がジュニアカテゴリーでどうして成功できたのか、それが分かろうというものだ」 ピアストリは2021年にFIA F2でチャンピオンとなったが、2022年にF1昇格を果たすことができず。アルピーヌのリザーブドライバーとして1年を過ごした。その間、アルピーヌの旧仕様のマシンでテストを行なった結果、F2やF3で走行経験のないコースを体験することができた。カタールのルサイル・インターナショナル・サーキットはまさにそういったコースのひとつで、ピアストリはF1スプリントで優勝することができた。 ステラ代表曰く、特にF1スプリントの週末には、経験済みのコースと経験したことのないコースでは、パフォーマンス差が生じることがあると語った。 「オスカーがある程度慣れているコース、またオスカーがFP1、FP2、FP3と全てのセッションをこなすことができるコースでは、彼は非常に競争力が高かった」 「しかし彼がこれまで走ったことのないコースでは、FP1を走っただけで、その後すぐにスプリントを戦うことになる。競争力を高めるために、達成する必要があるレベルが非常に高いことが分かる」 「だから我々は、オスカーがかなりの量の練習(3回のフリー走行)を行なった後、発揮できたパフォーマンスのレベルには、非常に満足している」
Filip Cleeren