〈那須2人殺害〉「店を取られるくらいなら取ってやるか!」犯行一味のドン、長女の内縁の夫で全身刺青の男も殺害容疑で再逮捕「睡眠薬入りのコーヒーを飲ませた」供述も…シャッター街となった“宝島ロード”は30の不動産屋が内見中
経営の主導権をめぐる確執が顕在化していた?
関根容疑者は全身に刺青を入れ、巧みな話術を弄して金持ちマダムから大金を引っ張る「女喰い」で身を立てていた(♯29、♯30)が、宝島夫妻の長女と内縁関係になり、1年半ほど前からサンエイ系列店の運営の前面に出るようになっていたと関係者は証言。系列の約20店のうち、5、6店は店のコンセプトや経営方針などを完全に仕切る「関根プロデュース」だったという。 この“関根系”の店の売り上げが特によかったことから、昨年ごろからこれを快く思わない宝島さんが「もっと(売り上げを)寄越せ」と要求するようになり、反発する関根容疑者が「(店を)取られるくらいなら、こっちから取ってやるか」と口にするなど、サンエイの内部では経営の主導権をめぐる確執が顕在化していたと関係者は話す。 警視庁はこの経営の主導権争いが殺害の動機になったとみている。 「関根容疑者は今年2月、系列店の店員らに送ったメッセージで、宝島社長からの要求に従う必要はないと伝え『4月末までにはすべて片づけます』とも表明していました」と店舗関係者も話しており、以前から4月末までに何らかの行動を起こすことを考えていた気配もあったという。
「すでに30もの企業がサンエイ物件の経営権に関心を示している」
結局、犯行が解明されたことで、関根容疑者は経営権を独占するどころか被告人席が待ち構えていることになった。社長夫妻も番頭もいなくなったサンエイの多くの店は営業が止まったままで、宝島ロードは急に寂しくなった。 しかし、栄華を誇った経営者の退場は、別の飲食店にはまたとない商機の到来でもある。サンエイ系列店では最近、背広姿の人がシャッターを開けて店内に入っては、しばらくして出てくるという光景が繰り返されている。 「あの人たちは不動産屋さんですよ。詳しい経営のことはわかりませんが、営業できなくなった店を売却する話が進んでいるようで、それに関係して不動産関係の人も中を見にきているようです」と系列店の調理師の一人は話す。自分が勤める店はまだ営業を続けているが、この先の雇用がどうなるかはわからないと嘆いた。 周辺の飲食店経営者は「あの一角は人通りも多く、きちんとした店を作れば相当な売り上げが見込める」と指摘。周辺の事情に詳しい関係者は、「すでに30もの企業がサンエイ物件の経営権に関心を示していると聞きました。大手が出ばってくるとのうわさもあります」と話す。 「宝島ロード」という名称が消えてなくなる日も近そうだ。 ※「集英社オンライン」では、今回の事件について、情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(Twitter)まで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: shueisha.online.news@gmail.com X(Twitter) @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
集英社オンライン編集部ニュース班