金の無駄遣い…。アーセナル、冬の大失敗補強5選。なぜ獲った? 活躍できずに終わった実力者たち
2024年1月のマーケットが動いている。各クラブがシーズン前半戦に起きた問題を解決するために新しい力を探す時期だ。好機とみれば、ビッグネーム獲得に動く場合もある。今回はイングランドの名門アーセナルが冬に獲得した選手のうち、うまくいかなかった補強を厳選して紹介する。(在籍期間や成績は『transfermarkt』参照)
MF:デニス・スアレス(元スペイン代表) 生年月日:1994年1月6日 移籍金:250万ユーロ(約3.5億円)*バルセロナからのローン移籍 在籍期間:19年冬~19年夏 リーグ戦成績:4試合0得点0アシスト デニス・スアレスはマンチェスター・シティでプロデビュー。2013年8月にバルセロナへ移籍となり、当初はBチームでのプレーが主だった。その後、セビージャやビジャレアルでプレーし、2019年1月にアーセナルへ期限付き移籍となる。同じプレミアリーグのクラブへの適応には問題がないかと思われた。しかし、蓋を開けて見ると一度も先発出場をしないまま退団となっている。 古巣シティとの一戦でアーセナルデビューを果たしたスアレスだったが、その10日後に行われたUEFAヨーロッパリーグ(EL)のBATEボリソフ戦で鼠径部を負傷。当初は我慢して試合に出場を続けていたが、本人によるとベストコンディションからは30%ほどの状態だったそうで、4月以降は患部の治療のため完全に戦列を離れた。 加入直後に襲われた怪我の影響で思うような出場機会を得られなかったスアレスは、シーズン修了後にローン移籍の契約が満了したことでアーセナルを退団した。そのプレータイムは公式戦6試合でわずか95分と明らかに失敗の移籍となってしまった。
DF:パブロ・マリ(スペイン) 生年月日:1993年8月31日 移籍金:1400万ユーロ(約19.6億円)*ローンフィー含め 在籍期間:20年冬~23年冬 リーグ戦成績:22試合1得点0アシスト フラメンゴに在籍していた2019シーズンにスペイン人の選手史上初めてコパ・リベルタドーレスを制したパブロ・マリは、20年1月にアーセナルに加入した。当時のアーセナルは最終ラインに不安を抱えており、即戦力として活躍が期待されていた。 ところがデビュー3戦目のマンチェスター・シティ戦で足首を負傷。シーズン絶望となり、マリの2019/20シーズンは終了した。この怪我は2020/21シーズン開幕後も長引き、アーセナルはマリが負傷中の20年夏に同じ左利きのCBガブリエウ・マガリャンイスを補強。彼が不動のスタメンに定着したことで余剰戦力となってしまった。 またプレミアリーグ特有のフィジカルの強さにも苦戦を強いられた。特にフィジカル不足を露呈したのが2021/22シーズンの第2節チェルシー戦で、ロメル・ルカクを全く止めることができず、失点に関与してしまった。こうした背景もあり、同シーズン後半戦はウディネーゼへとレンタル移籍。22/23シーズンは開幕からセリエA昇格組のモンツァへとレンタル移籍し、昨年夏に買い取り義務条項により同クラブへ完全移籍となった。