沖縄県知事選 20代の選対関係者に聞いた沖縄の現在(下) ── キャスター・我那覇真子さん
批判怖れず 言うべきこと言う
前回の知事選で「普天間基地の県外移設を求める」として当選した仲井真氏が、辺野古の埋め立て承認をしたことに対しては、多くの県民から公約違反という批判が渦巻いた。我那覇さんも最初は「驚いた」というが、詳しく勉強をするについれてその思いが変わったという。「仲井真さんが主張しているのは、一番の目的は『普天間の危険性除去』で、当初は県外移設を求めたが、いまの時点で最も現実的なのは辺野古移設だということ。辺野古では民家の上を飛ばないようにするため、海に滑走路を出し、安全性を強化するとしている。仲井真さんが目的と手段をきちんと区別した責任ある政治家ということが分かり、応援しようと思った」。 我那覇さんは基地問題をこう考える。「基地がなぜ存在しているかというと、緊迫した国際状勢や沖縄の地政学的な位置といった諸条件がある。大震災などで国の財政は緊迫しているが、そのなかでも国が沖縄に振興予算をつけるのは、沖縄が日本にとってどれだけ大きな役割を果たしているかの証拠だと思う」。基地問題を国防の立場から語る我那覇さんだが、「右翼と批判されることもある」という。それでも「私は右翼ではないし、言わなきゃいけないことは言わないといけない。何を言われるかなんて考えたら、変わらない」と迷いはない。 現在はインターネット放送局の那覇支局でキャスターを務める我那覇さんは、メディア出演や講演会を通じて自らの意見を伝え続けている。「若い世代には今回の知事選をきっかけにして、沖縄が安全保障と経済発展のバランスを取りながら、日本のなかでどういう役割を担って行けるのかを改めて考えてみてほしい」 沖縄から日本の「空気」を変える──我那覇さんの決意は揺るぎない。