「水原一平」に残された大谷選手への弁済方法は告白本 !? 過去にもあった「超有名犯罪者」たちの手記とは
連続殺人犯の手記が物議を
日本でも過去、多くの犯罪者が手記を発表している。 近年もっとも物議を醸したのは、『絶歌』(元少年A著、太田出版)だろう。神戸の連続児童殺傷事件の加害者による手記だ。遺族に事前に知らされていなかったこともあり、出版そのものが強い批判にさらされた。 同種の波紋を呼んだのは『霧の中』(佐川一政著、彩流社)である。友人の女性を殺害後に食べたといういわゆる「パリ人肉事件」の加害者による自伝的小説は、当然ながら強いアレルギー反応を示された。 他にも暴力団の組長らによる「自伝」は数多くある。有名なのは、田岡一雄・山口組3代目組長のものだろう。映画化もされ、高倉健が演じている。ディカプリオ同様、大スターが配役されたということになる。
「獄中記」というジャンル
それぞれの半生や犯罪についての手記以外に、数多く出版されているのが、獄中記だ。 日本では『獄中記』(佐藤優著、岩波現代文庫)、『刑務所なう。ホリエモンの獄中日記195日』(堀江貴文著、文春e-book)あたりが近年のヒット作として知られる。歴史をさかのぼれば、明治・大正の思想家、大杉栄も『獄中記』を発表している。 海外ではベストセラー作家の手によるものもある。『新装版 獄中記』(ジェフリー・アーチャー著、田口俊樹訳・ゴマブックス)は、『百万ドルをとり返せ!』など数々の世界的ベストセラーで知られるアーチャー氏の2年ほどの服役体験をまとめたもの(罪名は偽証罪と司法妨害罪)。出所後も次々ヒット作を生み出している。 このようにして見ると、水原容疑者が今後、「作家」としてのオファーを受ける可能性は高そうだ。やり方次第では、大谷選手と出会い転落するまでの「懺悔録」と、獄中記の2種類を刊行することも可能だろう。 なお、実際に犯罪者の原稿を扱ったことのある編集者によると、 「注意しなければいけなかったのは、特定されたくない関係者の扱い。さらには話を“盛って”いないかどうかのチェックでした。自分を大きく見せたりする傾向があったので」とのことである。 目下、伝えられるところでは、水原容疑者は大谷選手への謝罪の意を素直に示しているというので、さすがに大谷選手の私生活を暴くようなものは書かないだろう。また、セールスを考えても、暴露本ではなく懺悔録のほうが受け入れられやすいのは間違いない。 協力:新潮社 Book Bang編集部 Book Bang編集部 新潮社
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