【こんな質問あり?】就職面接の際にかなり「プライベート」なことまで聞かれました。とても嫌な気持ちになったのですが、これは普通ですか?
就職面接では面接官から予期せぬことを質問され、驚かれることもあるかもしれません。 特に、思わず嫌な気持ちになってしまうようなプライベートなことまで聞かれると「違法ではないのか?」と疑問に思うこともあるでしょう。 本記事では、企業に与えられている採用に関する保障や、採用面接で制限される事項についてご紹介します。
企業には「採用の自由」が保障されている?
日本国憲法第二十二条では「職業選択の自由」が保障されており、人はみな自分の能力や適性に応じて職業を選ぶことができます。 一方、民法第五百二十一条には「契約締結及び内容の自由」が保障されていることから、「企業は労働者の採用を自由に行うことができる」と判断できるでしょう。 また、採用面接をどのように行うか、採用基準や採用条件をどうするかということについても法律で定められていないため、基本的には企業が自由に決めることができるといえます。
面接で制限される質問にはどのようなものがあるのか?
企業に採用の自由が保障されているとはいえ、採用面接の際にどのような質問をしてもいいということにはならないでしょう。 厚生労働省は「応募者の基本的人権を尊重すること」と「応募者の適性・能力に基づいた基準により行うこと」の二つを「選考採用時の基本的な考え方」として打ち出しています。 これにより、たとえ採用基準としないつもりであっても「適性や能力に関係のない事項などは質問してはならない」とされる可能性が高いでしょう。 特に、以下のような質問は法律によって一定の制限が課せられる場合があるため、もしこのような質問をされた場合は違法にあたるかもしれません。 ■性別を理由とする差別につながる質問 「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」の第五条では、採用について性別を理由として差別することを禁止しています。 就職面接でも、本来ならば男性または女性の採用を敬遠するような質問や発言は避けなければならないでしょう。 また、女性のみに「結婚・出産後も働く意思があるか」を質問したり、男性のみに「転勤は可能か」という質問をしたりすることも、差別につながると考えられます。 ■就職差別につながる質問 国籍や出身地に関すること、家族に関することなどは「本人に責任のない事項」であるため、面接時の質問としては「問題がある」と判断される可能性があります。 また、宗教や思想に関することなども、本来自由であるべき事項であり、面接時に質問することは「公正な採用選考」に反すると考えられます。