伊那市が新たに建設 高遠町総合支所の起工式 長野県
長野県伊那市は27日、新たに建設する高遠町総合支所(同市高遠町)の起工式を予定地の高遠町文化センター駐車場で開いた。新庁舎は鉄骨造りの2階建てで、延床面積は約940平方メートル。城下町風の街並みを意識した和風の外観を想定する。式に併せて安全祈願祭も営まれ、関係者は工事の無事を願った。工期は来年5月までで、その後に供用を開始する。 高遠町総合支所は旧高遠町役場として1966(昭和41)年、同センター近くに建設。市町村合併後は総合支所として使われてきたが、建物の老朽化などに伴い解体した。支所の業務は市高遠町保健センターに一時的に移している。 新庁舎は1階に市民ホール、事務室(4課分)、大会議室、相談室、多目的と男女トイレなどを配置。一つのフロアで全てのサービスを提供でき、市民の利便性を向上させる。災害時には防災拠点にもなるため各課の連携がしやすくなる利点がある。 内装は壁を中心に、できる限り地元産材を生かして木質化を図る。2階は文書庫として使用。屋根には太陽光パネルを置き、屋内の蓄電池によって災害時などの電源に使う。 屋外には一般駐車場として約80台分を確保する。旧町役場跡地も駐車場にする計画で、30~40台分のスペースを整備する予定という。 総事業費は4億8290万円で、財源は合併特例債などを活用。城取建築設計事務所、ヤマウラ伊那支店、宮原電気工事、エビヤ鉄工設備(以上、同市)が請け負う。 安全祈願祭では白鳥孝市長によるくわ入れの神事などが営まれた。白鳥市長は「市民の皆さまに末永く親しまれる庁舎を目指している。ご理解、ご協力をいただきながら進めたい」と話していた。 工事は6月3日から本格的に始まる。期間中、同センター駐車場で使用できる区画は25台分ほどになる。