地形学び防災意識を高める 被災地支援の経験語り、地域の特徴解説「日頃の備えを」 沖縄
名護市中央公民館講座「災害への10の備え~強いまちづくりを目指して~」が9月21日、市屋我地支所で開かれた。 屋我地、羽地、屋部、久志の市内4地区それぞれの地形に合わせ、起こりうる災害に対し「自分たちのまちは自分で守る」という防災意識を高めるために企画された。市出身で阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本地震などの災害復旧に携わったエイト日本技術開発琉球事務所の平良守所長が講師となり、防災の重要性を伝えた。 「被災地で見た光景、現地の子どもたちと話したことは一生忘れられない」と話す平良さん。講座の1週間前に周辺地域を歩いて、屋我地の地形や地質の特徴を調査。豪雨と満潮が重なった時に、済井出川の排水能力を超えて住宅地が水に漬かる「内水氾濫」が起こる可能性を指摘した。 沖縄本島北西沖地震や久米島沖地震が発生した際は屋我地にも津波が到達することも指摘。「自宅や職場の標高を知り、どの高さなら安全か、いざという時に家族とどこで会うか、普段からシミュレーションしておくことが大切。車で島外に逃げることは交通渋滞を引き起こし、二次被害をもたらすので絶対にやめてほしい」と話した。
講座に参加した長田恒吉さん(79)は、中学3年生の時、チリ地震による津波を経験した。「海が鳴って、畳を巻くように波が押し寄せた。2回目の波が来た時、屋我地大橋が無くなっていた。旧真喜屋小の校庭のモクマオウに、津波で流された腰かけが引っかかっていて、波の大きさを実感した」と当時の様子を語った。 防災講座は10月12日に羽地支所、19日に屋部支所、26日に久志支所でも開催される。いずれも午前10時~正午で参加無料。前日までの予約が望ましいが、当日受け付けも可能。予約、問い合わせは名護中央公民館。 (荒崎彩子通信員)
The Ryukyu Shimpo Co., Ltd