【紫苑S】前走格が重要、オークス組は着順問わず優勢 ミアネーロ、ホーエリートに妙味あり
逆転候補はフォーザボーイズ
春の重賞で結果を残しGⅠ出走を果たした組と、春は結果を残せず秋にかける馬たちの争い。今年はその差が例年ほど大きくなく激戦が予想される。混戦を抜け、GⅠ出走を叶えるのはどの馬だろうか。 前走オークスは【4-5-4-21】勝率11.8%、複勝率38.2%。2、3着【2-0-1-2】、5~9着【0-3-1-7】に対し、10着以下は【2-1-2-12】と決して見劣らない。オークスに出走した事実は重く、着順に囚われなくていい。ホーエリート、ミアネーロはどちらも中山の重賞で結果を残した。有力視できる存在だ。上がり馬に人気がいくなら、むしろ妙味すら出てくる。 上がり馬は必ずしも優勢とはいえないものの、レース間隔はポイント。中3週【1-0-0-7】勝率、複勝率12.5%、中4~8週【1-2-2-20】と適度に間隔をとり、重賞に備えたローテが理想だ。 ただ、中9週以上【0-0-0-22】で休みすぎもよくない。カンティアーモは中15週と今年は10週以上間をあけた組が目立つので微妙。3勝目を函館であげたエラトーも中9週で、中8週は小倉芝1800mで2勝目をあげたハミングぐらい。京都、小倉の芝1800mで連勝を飾っており、2000mは新馬4着以来になる。 3勝目を函館であげたエラトーも中9週で、中8週は小倉芝1800mで2勝目をあげたハミングぐらい。京都、小倉の芝1800mで連勝を飾っており、2000mは新馬4着以来になる。 ブリックスアンドモルタル産駒は今年の8月25日までで芝2000m【6-5-8-58】勝率7.8%、複勝率24.7%に対し、芝1800m【10-10-6-71】勝率12.0%、複勝率31.3%。数字の並び方をみても、1800mと2000mの間に壁がありそうだ。 レース間隔とは別に距離のデータも。前走2000mは【2-1-1-9】勝率15.4%、複勝率30.8%。2000m未満【0-1-2-43】複勝率6.5%、2000m超【0-0-0-6】と、2000mへのこだわりが結果につながる。 レース間隔では厳しかったフォーザボーイズは前走東京芝2000mで2勝目をあげ、ここにかけてきた。母カゼルタはエルダンジュの系統で、エルデュクラージュ、アドマイヤスピカなど晩成の血でもある。父エピファネイアも菊花賞5馬身差、翌年ジャパンC4馬身差Vなど晩成血統。フォーザボーイズも2000mに舞台が移る秋は春とはひと味違う。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木淳