’16年６月、ドイツ滞在時のチョン氏（右）。身体にタトゥーを入れているのがわかる（PHOTO：時事通信社）

資産家令嬢の突然発したメッセージが、韓国内で物議をかもしている。 〈私には300兆ウォン（約30兆円）あるけど一緒になりたい人はいますか。女性で私の子どもを代わりに産んでくれる方には、ドイツにある数百社のペーパーカンパニーを譲ります。アイ・アム・真剣です〉 愛犬を胸にギュッ！…韓国の美人ファーストレディ「スッピンのメガネ姿」激変の素顔写真 10月28日に自身のＳＮＳにこう記したのは、朴槿恵・元大統領の側近として政治に介入し服役中のチェ・ソウォン受刑者（逮捕当時の名前はチェ・スンシル）の娘チョン・ユラ氏（27）だ。 「チョン氏の母親は経済団体『ミル財団』や『Ｋスポーツ財団』などを私物化し、莫大な利益を得ていたとされます。朴元大統領に取り入り政治を都合よく操ったとして、職権濫用、強要、強要未遂、詐欺未遂の罪に問われ’20年６月に懲役18年、罰金200億ウォン（約20億円）などの罪が確定しました。朴元大統領罷免の要因ともなった政治スキャンダルです」（全国紙ソウル駐在記者） ◆〈アイ・アム・信頼です〉 なぜ彼女の娘チョン氏は突然「結婚願望」を公表したのだろう。 「ＳＮＳのメッセージは最近、韓国のスポーツ界を騒がせているスキャンダルのパロディですよ。元フェンシング女子代表のナム・ヒョンヒ氏に共謀の疑いのある、巨額の結婚詐欺事件を起こし逮捕された元カレＡの言葉です。Ａは被害者にこう訴えていたそうです。〈私には51兆ウォン（約５億1000万円）あるけど結婚しませんか。アイ・アム・信頼です〉と。 チョン氏は国内で流行しているＡのフレーズを利用して、自身の『主張』を世間に知ってもらおうと考えているのでしょう。いくら資産家の令嬢でも、300兆ウォンも持っているとは思えません。本気で財産を譲り、結婚しようと考えているのかについても疑問が残ります」（韓国紙記者） チョン氏の「主張」とはなんだろうか。

朝鮮日報などの韓国メディアによると、自分たち母子をおとしめたある政治家への復讐だという。 「チョン氏の母親の疑惑を追及し続けた、野党『共に民主党』のアン・ミンソク議員です。アン議員は、母親が300兆ウォンの資産を持ちドイツに400社から500社のペーパーカンバニーを設立したと話しているといわれます。母親は逮捕前に『事実無根だ』とアン議員を名誉起訴で訴えました。チョン氏は韓国を騒がせているスポーツ界のスキャンダルを利用し、母親の恨みを少しでも晴らそうとしているのでしょう」（同前） 朴政権を崩壊させた政治事件は、いまだにくすぶり続け韓国国内に波紋を広げているようだ。