美濃焼祭が開幕し、美濃の巨匠ギャラリーで人間国宝が制作した茶わんに見入る人たち＝１２日午前９時２０分、ＪＲ多治見駅南北自由通路

　岐阜県多治見市の玄関口で美濃焼の魅力を発信する第13回美濃焼祭が12日、JR多治見駅周辺で開幕した。メイン会場の同駅南北自由通路には「美濃の巨匠ギャラリー」が設けられ、人間国宝や県重要無形文化財保持者計9人の作品を間近で鑑賞できる。14日まで。 　市と市観光協会、JR東海などでつくる実行委員会主催。3日間で1万人の来場を見込む。巨匠ギャラリーには故加藤孝造さんの志野茶盌（わん）、故荒川豊蔵さんの唐津風茶垸（わん）、故加藤卓男さんの青釉（ゆう）花鳥文陶筥（ばこ）、鈴木藏さんの志野茶碗（わん）の人間国宝4人の作品をはじめ、保持者5人の茶わんや水指、花器をケースに入れて展示した。織部、黄瀬戸、三彩など技法の異なる器に来場者は足を止めて見入った。 　妻と一緒に岐阜市から訪れた男性会社員（48）は「それぞれの作家の個性が感じられた。三彩の色彩が魅力的。窯元を訪ねたい」と話していた。 　蔵珍（ぞうほう）窯、水月窯などの直売ブースを設置。全国やきもの甲子園入選常連校の多治見工業高と瀬戸工科高の生徒がろくろ技術を競う対決（13日午後1時～）などイベントもある。また13、14の両日は多治見市旭ケ丘の多治見美濃焼卸センターで「たじみ陶器まつり」が開かれ、商社の廉売市やクラフト作家の出店がある。