阪神か?ソフトバンクか?シリーズを制するのはどっち?
掛布氏は、さらに投手陣の充実度を強調する。 「メッセンジャー、能見、藤浪、岩田の4人と、ソフトバンクのスタンリッジ、中田、摂津、大隣の4人を比べると、阪神は、ひけをとっていないどころか一枚上。誰もが6回を3点以内にゲームを作る安定感がある。阪神からすれば大隣が嫌だが、彼も2試合は使えないだろう。スタンリッジ、中田に関しては、元同僚であり、同じセの中日にいた“知っている投手”だから戸惑いがない。抑えもサファテは、ファイナルステージで不安な部分を露呈したが、オ・スンファンは、安定していたし、イニング跨ぎも連投も可能なことを示してベンチの選択肢を広げた」 レギュラーシーズンの阪神のチーム防御率は、3.88でソフトバンクのそれは3.25なのだが、先発防御率となると、阪神が3、73で、ソフトバンクが3.71でほぼ互角。これがCSになると、阪神の先発4人の防御率は、1.66にまで下がるが、ソフトバンクは、スタンリッジ、武田の2人は、共に1点も失っていないが、摂津の防御率は18.00で、中田も3.60と先発陣にムラがある。また、掛布氏は、チームメンタルの差についても、こう分析している。 「2位から勝ちあがった阪神はノープレシャーだ。おそらく楽しむという感覚でいると思う。西岡がうまくムードメーカーになって、そういう雰囲気作りをしている。ここまでプレッシャーに苦しんできたソフトバンクが、またレギュラーシーズンの覇者が勝って当然だと、日本一にプレッシャーを感じてしまえば、そういう心理戦も阪神が有利な点になる。シリーズは、楽しんだ方が勝ち。キーマンは、阪神は、西岡、ソフトバンクは、イデホにホームランが出るか出ないかだろう」 その一方で、「ソフトバンクが有利」と予想するのが、ホークスOBで阪神時代には1985年に日本一も経験している池田親興氏。地元福岡で評論活動をしている。 「ソフトバンクが有利だと思うが甲子園で1勝1敗で乗り切ることが最低条件。CSを突破した後に選手に話を聞いたが、みんな『甲子園の声援が嫌だ』と口にしていた。あそこまでの完全アウエーは慣れていないので、不安材料であることは確かだが、逆に言えばヤフオクドームの応援も凄い。