とっておきのヴィンテージ3点──エルメス「オータクロア」、アンブロのサッカーシャツ、1940年代のハンティング・ジャケット
パリのヴィンテージ・ディーラー、ゴーティエ・ボルサレロのヴィンテージ・コレクションは、世紀末フランスのチョアジャケットからニルヴァーナのレアなTシャツまで、誰もがうらやむ逸品で溢れている。ここでは、ボルサレロが最近手に入れた、あらゆるものを見尽くしてきた人物をも唸らせる名品をご紹介しよう。 【写真を見る】ヴィンテージの逸品を所有するゴーティエ・ボルサレロのお気に入りをチェック!
①1940年代のハンティング・ジャケット 超レアなリバーシブルのハンティング・ジャケット。コレクションに加えたいと、しばらくずっと探していたのだが、あるとき、友人に『マイ・プライベート・アイダホ』を観るように言われた。そして、作中でリヴァー・フェニックスが着ていたジャケットに釘付けに! 数週間後、ヴィンテージの神様が味方してくれたのか、「Bare-Knuckle Boutique」を営むアダム・ケナストンからメッセージが届いた。探していたジャケットが、最高のコンディションで、ちょうどいいサイズであるという。値段は1000ドル。即、手に入れた。 ②アンブロのサッカーシャツ 1996年4月、オアシスのライブの直前にリアム・ギャラガーがマンチェスター・ユナイテッドの旧スタジアム、メイン・ロードのロッカーから盗み出したことで伝説となったアイテム。ギャラガーは『NME』で「選手の誰かが着るアンブロのシャツが置いてあって、ちょっと着てみようと思った。それでそのままくすねてやった」と語っている。本腰の入ったブリット・ポップ・ファンだろうが、若者や気軽なファンだろうが、誰にとってもお宝となる一品。イギリスのシェフィールドで「Rag Parade」を経営する友人のジョジョを通して手に入れた。 ③エルメス「オータクロア」50cm エルメスが最初に作ったバッグで、もともとは19世紀初頭に馬の鞍や乗馬ブーツを運ぶためにデザインされたもの。セルジュ・ゲンズブールは2日用の旅行バッグとして愛用していたという。ある日、ジェーン・バーキンはパリからロンドンへ向かうフライトで、エルメスのジャン=ルイ・デュマの隣に座った際に、女性用の大きなバッグが必要だと話した。それでオータクロアの小型バージョンとしてデュマがデザインしたのが、バーキンだ。 WORDS BY THE EDITORS OF GQ TRANSLATION BY MIWAKO OZAWA