京産大・FB辻野隼大共同主将「この2戦で自信を取り戻した」4大会連続11度目の4強 次戦は早大戦/大学選手権
ラグビー全国大学選手権準々決勝(22日、京産大59ー12大東大、鈴鹿)準々決勝2試合が行われ、京産大(関西2位)は大東大(関東リーグ戦1位)に59―12で大勝し、4大会連続11度目の準決勝進出を決めた。LO石橋チューカ(2年)の先制トライで口火を切ると、計9トライを奪った。来年1月2日の準決勝(国立競技場)で早大(関東対抗戦1位)と対戦する。 【写真】悲願の大学日本一を誓う京産大の広瀬佳司監督 FWが力強く押し込めば、バックスはテンポ良くパスをつないだ。計9トライを奪い、関東リーグ戦王者を攻守に圧倒。広瀬佳司監督はシンプルな言葉に手応えをにじませた。 「すごくいい試合ができた。京産大らしいラグビーができている」 兵庫・報徳学園高時代は「リーチ2世」と呼ばれ、今年2月の日本代表合宿にも招集された大器のしなやかな走りがどこか重苦しかった空気を吹き飛ばした。立ち上がりから攻め込みながらトライを取り切れずに迎えた前半10分。石橋は左中間でFL平野龍からのパスを受けると、そのまま一気に走り切り、インゴールに駆け込んだ。 1年だった昨季からレギュラーに定着したが、意外にもこれが公式戦初トライ。「絶対に決めてやろうと思っていた。うれしいです」と笑顔が弾けた。これで硬さがほぐれたのか、チームは3分後に鮮やかにパスをつないでCTBナブラギ・エロニ(2年)がトライを奪うと、ここから7連続トライで勝負を決めた。 今季は関西リーグの最終盤で2連敗と失速し、4連覇を逃した。だが、今大会初戦の3回戦で青学大(関東対抗戦5位)に66-7で大勝。調子は上向きだ。 FB辻野隼大共同主将(4年)は「この2戦で自信を取り戻した」と強調。来年1月2日の準決勝で対戦する早大には、昨季の準々決勝で圧勝(65-28)しているが「(早大は)去年とはまったく別のチーム。(京産大へ)リベンジの気持ちを持って挑んでくる。逆にチャレンジする」と力を込める。 過去10度、はね返されてきた準決勝の壁。今度こそ打ち破り、チームに新たな歴史を作る。(月僧正弥) ■石橋 チューカ(いしばし・ちゅーか) 2004年(平成16)4月10日生まれ、20歳。米ニューヨーク州出身で、兵庫・姫路市育ち。姫路ラグビースクールで競技を始める。報徳学園高時代は2、3年時に花園出場。京産大経営学部2年。ポジションはLO/FL。世代別の高校日本代表、U20(20歳以下)日本代表を歴任。190センチ、97キロ。
◉…京産大は2021年度から4大会連続で11度目の4強入りを決めた。過去10度はすべて準決勝で敗退。次戦相手の早大には前回大会の準々決勝で65―28と大勝したが、大学選手権での通算対戦成績は3勝10敗。