ドジャース大谷翔平のすごさとは? 「メジャーに一番近い男」だった秋山幸二さんが中学生にメッセージ、故郷で野球大会
プロ野球、ソフトバンク元監督の秋山幸二さん(61)=西日本スポーツ評論家=の名を冠した「第6回秋山幸二杯中学生少年軟式野球大会(第18回八代北部招待中学生軟式野球交歓会)」が9、10の両日、出身地の熊本県氷川町など県内4会場で行われた。秋山さんの母校、氷川中をはじめ県内16チームが熱戦を繰り広げた。 ■【動画】秋山さんのスピーチや始球式を紹介 氷川町での総合開会式に出席した秋山さんは米大リーグ、ドジャースの大谷翔平を引き合いに出して中学生たちにエールを送った。「大谷選手は野球界の頂点に立ち、メジャーリーガーとして素晴らしい成績を残しています。僕が一番すごいな、と思うのは練習から楽しんでやっていること。これはプロ野球のみならず、野球をやる上で一番大事なことだと思います」。マイクの前で優しげな笑みを浮かべながら語りかけた。 走攻守の三拍子そろったスーパースターとして西武、ダイエー(現ソフトバンク)で活躍した現役時代は「メジャーに一番近い男」と呼ばれた。その秋山さんが「僕はできなかった…と思う」と明かしたのが「楽しむ」ことだった。「(プロ生活は)やっぱり苦しかったので、なかなかできなかった。でも、映像などで練習や試合での大谷選手の姿を見ていると、楽しんでいるのが伝わってくる。そういう中で、結果がいい方向に向かっていっている気がします」。約1分半のメッセージに「上達」へのキーワードを盛り込んだ。 母校の後輩となる氷川中野球部キャプテンの繁村清士朗さん(2年)の「スポーツマンシップにのっとり、正々堂々戦い抜きます」との力強い選手宣誓には笑顔でうなずき、記念写真に一緒に納まった。秋山さんとの触れ合いは、中学生たちにとってかけがえのない時間になったようだ。キャッチボールで相手を務めた竜北中野球部の平山颯泰(そうた)さん(2年)は「ボールが重かったです!」と感激の面持ちだった。 会場が最も沸いたのは秋山さんが始球式に登場した場面。スーツに身を包んだ体から糸を引くような球を投げ込み、中学生たちの目をくぎ付けにした。4月6日に62歳を迎える球界のレジェンド。早春の一日、最も楽しんでいたのは秋山さんかもしれない。 (西口憲一)
西日本新聞社