サクラソウ 岡山・真庭の自生地から盗掘か 県指定の希少野生動植物
岡山県指定の希少野生動植物で、無断で採取すると罰せられるサクラソウが、岡山県真庭市蒜山地域の自生地から盗まれた可能性があることが10日までに分かった。保護活動に取り組む地元関係者らが警戒を強めている。 関係者によると、4月下旬に現地を訪れた人が群生場所で掘り返された跡を発見。報告を受けた津黒いきものふれあいの里(同市蒜山下和)の雪江祥貴館長=県指定希少野生動植物保護巡視員=が同30日に訪ね、径約30センチにわたり盗掘されたとみられる形跡を確認した。数株分になるという。 サクラソウは4月下旬~5月上旬に紅紫色の花が咲く多年草。2009年に県希少野生動植物に指定され、県レッドデータブックの絶滅危惧I類に分類される。許可なく採取すれば1年以下の懲役か100万円以下の罰金が科せられる。 蒜山地域は県内にほぼ唯一残る自生地で、過去にも盗掘被害があった。住民らでつくる蒜山自然再生協議会が保護活動に取り組んでおり、雪江館長は「盗掘はサクラソウの絶滅につながり、保護活動も無駄にする行為で残念。指定希少野生種と周知しつつ、県などと相談して対策を考えたい」と話している。