復活したロータリーはマツダのDNAだが「相変わらず燃費が悪い」のか?環境対応としての存在意義は疑問
市街地燃費はWLTCモードで11.1km/Lと他のPHEVより大幅に悪い
新開発されたMX-30のREについて、事前情報では「従来のREより環境性能が進化した」という評判だった。しかし、前述したハイブリッド燃費15.4km/Lというのは、PHEVの中で比べても良いほうではなく、むしろワーストランキングに入ってしまう数値だ。とくに市街地モードでの燃費は、はっきり悪いといえる。 ●MX-30 Rotary-EV WLTCモード燃費 市街地モード:11.1km/L 郊外モード:18.5km/L 高速道路モード:16.4km/L モード燃費の数字を素直に受け取り、計算すると市街地走行だけでは満充電・満タンから662kmで電欠・ガス欠してストップすることになる。そもそも11.1km/Lという市街地モード燃費はハイブリッドカーとしてはあり得ないほど極悪だ。 2023年12月にはトヨタがクラウンスポーツPHEVを発表している。2.5Lエンジンを積み、前後をモーター駆動することでシステム最高出力225kW(306PS)を誇るクラウンスポーツPHEVのWLTCモード・ハイブリッド燃費は20.3km/L。市街地モードだけを見ても17.5km/Lとなっている(郊外モード:21.5km/L、高速道路モード:21.0km/L)。 さらに燃費自慢のトヨタ・プリウスPHEVの2.0Lプラグインハイブリッドシステムが実現しているWLTCモード・ハイブリッド燃費は26.0km/L。市街地モードは23.7km/LとMX-30 Rotary-EVの倍以上となっている。ちなみに、郊外モードは28.7km/L、高速道路モードは25.5km/Lだ。 MX-30と同じく、マツダがラインナップしているPHEVであるCX-60のWLTCモード・ハイブリッド燃費を見ると、総合値が14.6km/Lで、市街地モードが11.1km/L、郊外モードが15.7km/L、高速道路モードが16.0km/Lとなっているので、マツダとしてはMX-30 Rotary-EVの燃費性能は悪くないと考えているのかしれないが、ユーザー目線でフラットに比べてみると、「相変わらずロータリーの燃費は悪い」という印象しかないといえるのではないだろうか。