【高校サッカー選手権】國學院栃木を2年連続で決勝の舞台に導いたのはG大阪で活躍したMF 今年3月下旬に就任した武井択也監督が明かす西野朗氏への想い
勝利の瞬間、喜びを噛み締めた。今年3月下旬に母校の指揮官となってから、ファイナリストにはなれず、5月の令和6年度関東高校サッカー大会栃木予選は準決勝、令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)栃木予選は準々決勝で敗退。武井択也監督にとって苦しい時が続いた。そして、迎えた最後の選手権。11月9日に第103回全国高校サッカー選手権栃木予選準決勝が行なわれたなかで、國學院栃木は佐野日大にPK戦(3-2)で勝利を収めた。1-0で迎えた後半アディショナルタイムにFKから同点に追い付かれたものの、守護神・GK高橋滉平(3年)がPK戦で躍動。1本目を阻止し、チームを決勝進出に導いた。 【フォトギャラリー】矢板中央 vs 足利大附 「(初めての監督業で)分からない部分もあったし、選手たちも今までのやり方と僕になってからのやり方と違うので、選手と意見が食い違うところはありましたけど、インターハイが終わってからしっかり話をして秋に向かって来られた。今は本当に1つになって動けているのかなと思います」 手応えを口にした指揮官にとって、監督業は今回が初めて。右も左も分からず、苦労も多かった。そうしたなかで参考にしたのが恩師でもある西野朗氏だ。G大阪に所属していた時に最もお世話になった名将で、サッカーのスタイルもマネジメントでも過去のことを思い出しながら今の自分に生かしている。 「ガンバで攻撃的なスタイルを貫いてきたので、そこは自分も継承している。國學院栃木のサッカーとしてブラさずにやっていこうと思っています。ただ、技術だけあればいいわけではないので、プラスアルファで厳しさも求めていきたい」 「西野さんは一番僕の中で影響を受けた人。言葉数は多くないんですけど(笑)。今の自分とはまだ遠い存在ですけど、あの人が一言話すだけで多くのことが動いていく。僕はまだその一言の力、影響力がまだまだないので、いろんなアプローチはしていかないと、西野さんが描いていた領域まではいけないと思う。そこはすごく参考にしながら、選手との距離は気を付けています」 偉大なる指揮官の背中を追い、スタートさせた指導者としてのキャリア。まだ志は道半ばだ。16日に行なわれる矢板中央との大一番を制し、更なる一歩を踏み出せるか。新米指揮官の挑戦はまだ始まったばかりだ。