引きこもり生活に競輪学校ドロップアウト… “陽キャレーサー”板根茜弥が歩んだ壮絶半生
地元での初優勝 悲願叶い「号泣」
そしてデビュー4年目で、念願の初優勝を掴み取る。2019年12月の立川競輪場、時間はかかったが、コツコツ積み重ねた努力が実を結んだ。 「師匠がこの年の年末で引退だったので、それまでに1回は優勝したかったんです。地元立川だったのもすごく嬉しかった。いろんな思いがあふれて優勝インタビューは号泣してしまいました」 その後、普通開催ではしっかり決勝進出する安定感ある選手に成長した。しかし落車が多く、大小のケガは数えきれない。 「ガールズケイリンで大事なことは落車をしない、させない。安全に走ること。落車が起きていいことはない。つらい思いをしたこともあるけど、コースを探して突っ込めるのは自分の持ち味だと思います」 昨年は補欠からの繰り上がりで10月「オールガールズクラシック(松戸)」でGI初参加も果たし、トップ戦線に食い込んでいる。 「やっぱりGIに出られたのは嬉しかった。観客の人がガールズケイリンだけを見に集まってくれていた。また出たいと思ったし、大きい大会に出続けられる選手でいたいと思いました。選手になれたことで満足していた気持ちが、もっと大きい舞台に出たいって気持ちに変わりました。その気持ちの変化があったからか、12月の立川で久しぶりの優勝。今回のオールガールズクラシックは正選手で出場権が取れました」
GIでも「歌いたい!」ガールズきってのムードメーカー
オールガールズクラシックは1年間の獲得賞金額上位42人が出場できるガールズケイリンで最も権威のある大会。2回目の出場を自分の力で勝ち取った板根の野望は、その舞台で1着を取ることだ。 「1期生が頑張ってきてくれたおかげで開催できる大会。第1回の松戸での声援の多さが忘れられないんです。今度は1着をとってお客さんの前で1曲歌いたいですね。大垣ミッドナイトの落車の影響は大丈夫。体は骨折もなく元気です。丈夫な体に産んでくれた両親に感謝。久留米でいい結果を出せるように頑張ります」