【阪神】藤川球児監督の『アリとキリギリス』理論「夏場は練習量を落とすから蓄えを」春季キャンプは練習量増加を予告
阪神・藤川球児監督(44)が18日、イソップ童話「アリとキリギリス」を引き合いに来春キャンプの指針を示した。選手に求めるのはもちろん、享楽的に今を楽しむキリギリスではなく、食料が少なくなる冬を見越して夏の間から備蓄に励む働き者のアリの姿勢。「シーズンに対する体力的な貯金をしなきゃいけないので、非常に練習量が増える」と予告した。 “地獄の春”を過ごした者こそシーズンを制す―。現役時代に日米通算245セーブを記録した藤川監督は、実体験に基づくメッセージを各担当コーチを通じて既に伝えていた。「甲子園は暑いし、夏場は練習量を落とすから。『アリとキリギリスだよ』と。ちゃんと蓄えを持っておかないといけない」。春に鍛え上げておけば夏にバテない。指針の意図は単純明快だ。 「没頭」をテーマに掲げた今秋キャンプは5勤1休で17日に終了。新監督が重視する主体性の土台を築き上げ、来春2月のキャンプを見据えて、個々の課題と向き合う日々だった。秋も十分に濃厚だったが、春はさらに“極濃”になる。 12月から来年1月のオフ期間は「契約期間外なので僕たちから何も言えない」と放任する一方、自主トレの成果は2月にじっくりと見極める。「2月に練習しなければ相当体力が落ちるっていうことは分かっている。日本は春夏秋冬がちゃんとあるから。夏に備えるのは本当に大事」と繰り返した新指揮官。“ありんこ集団”で覇権奪回を目指す。(中野 雄太) ◆アリとキリギリス 古代ギリシャの作家アイソーポス(イソップ)が語ったとされる物語を集めた「イソップ寓話」の一つ。夏の暑い日、楽しくバイオリンを弾いて歌うだけのキリギリスに対し、アリは食料がなくなる冬に向けて備蓄にいそしむ。冬にやせ細ったキリギリスはアリに食料を懇願するが、やがて餓死(改心する結末も)。真面目に働くことの大切さや、将来について考えながら努力することの大切さを表現した物語とされる。
報知新聞社