キース・ジャレット、1992年のライヴを収録する名盤『アット・ザ・ディア・ヘッド・イン』の続編を発表
キース・ジャレット(Keith Jarrett)が2022年の『ボルドー・コンサート』以来となるニュー・アルバム『ジ・オールド・カントリー~モア・フロム・ザ・ディア・ヘッド・イン』を11月8日(金)に発表します。キース・ジャレット(p)、ゲイリー・ピーコック(b)、ポール・モチアン(ds)のトリオによる、1992年9月16日、米ペンシルベニア州アレンタウンのディア・ヘッド・インでのライヴを収録。1994年に発表された名盤『アット・ザ・ディア・ヘッド・イン』と同じ日に録音された、続編ともいえるアルバムです。すべてスタンダードの全8曲を収録するこのアルバムから、先行トラック「ストレート・ノー・チェイサー」が公開されています。 ディア・ヘッド・インは1950年にボブ&フェイ・ラーがオーナーとなって以来ジャズ・クラブとして営業し、1961年、当時16歳だったジャレットにピアノ・トリオのリーダーとしてはじめてのライヴの場を提供した会場でした。月日が流れ、オーナーがボブ&フェイの娘ドナと義理の息子クリストファー・ソリデイに引き継がれると、ジャレットはふたたびこのクラブで演奏したいと申し出ました。 1992年9月16日、ジャレットはゲイリー・ピーコックとポール・モチアンと共に満員の観客を前に演奏し、ジャレット、ピーコック、モチアンがトリオとして演奏した唯一の機会となりました。モチアンはジャレットの「アメリカン・カルテット」のドラマーでしたが、そのグループが解散して以来、キースとは仕事をしていませんでした。「私はディア・ヘッドで30年間ピアノを弾いていなかっただけでなく、ポール・モチアンとも16年間一緒に演奏していなかった。だから同窓会のようでもあり、同時にジャム・セッションのようでもあった」と、ジャレットは『アット・ザ・ディア・ヘッド・イン』のライナーノーツに書いています。 それから30年。キース・ジャレットとマンフレート・アイヒャーは、ディア・ヘッド公演の音源から『ジ・オールド・カントリー~モア・フロム・ザ・ディア・ヘッド・イン』に収録する8曲の未発表曲を選びました。ライヴ当日を振り返り、ジャレットは「この日の夜は、ポコノ山脈の暖かく湿った雨の降る秋の夜だった。部屋には人でいっぱいで、外のポーチではもっと多くの人が網戸越しに聴いていた」とコメントしています。 Photo by Roberto Masotti (c)ECM Records