算数好きになる「ナンプレ」で身に付く4つの力。算数や数学を学ぶ上で大事な土台を作る役目も
■基礎が不十分なままで進むとつまずきやすい これは算数・数学に限った話ではないですが、基礎が不十分なまま次の段階に進むと、つまずきやすくなります。一度苦手意識を持つと、「自分には算数が向いていない」と感じ、学ぶ意欲が低下するケースもあります。 さらに、計算力や論理的思考を問われる場面が増えるため、ほかの教科と比べて努力が成果に結び付きにくいと感じる生徒もいます。このように、学習内容の抽象化と基礎力の不足、さらには心理的要因が絡み合い、算数・数学を苦手とする生徒が増えていくのです。これを解決するためには、パッと見ただけで数を認識できる「数の暗黙知」を鍛えることが重要になります。
筆者は幼少期からナンプレに夢中になり、ほとんど毎日取り組んでいました。その頃は「勉強している」という意識はまったくなく、ただ楽しんで遊んでいる感覚でした。しかし、振り返ってみると、数字の種類や大小関係を自然に理解し、さらには足し算や引き算などの基礎的な計算力を知らず知らずのうちに身に付けていたのです。 「遊び」として夢中になっていただけなのに、いつの間にか学びを得ていたことに気づくと、「あの頃ナンプレに取り組んでいて本当によかった」と心から思います。
今回はそんな筆者が考える、ナンプレを通じて子どもが育むことのできる4つの力を紹介します。 ① 数字を観察する力 突然ですが、次の問題を考えてみてください。 「6 4 2 5 3 7 1 9」 この数列の中で、1から9のうち存在しない数字が1つだけあります。それは何でしょう? 大人であれば、すぐに答えを見つけられるかもしれません。そう、存在しない数字は「8」ですね。 しかし、子どもがこの問題に取り組むとき、1から順に数えて注意深く観察する力が必要になります。ナンプレで遊ぶと、このように数字をよく観察する力や、物事に注意を向ける力が自然と養われていきます。クイズ感覚で楽しみながら集中力や観察力を鍛えられるのです。