私たちはどうすれば幸せになれるのか?幸せな世界のデザインについて考える
自分を知り、世界を知ることは、幸せのための基盤
いやいや、世界にはあまりにも多くの人と情報があふれていて、そんなもの、すべてわかるわけがないではないか、あるいは、世界はわからないからこそ面白いのだ、という反論もあるでしょう。 私が述べたいのは、不確定なことも起こるものとして、世界を理解するということです。あなたはいつ職場に行っていつ帰るべきかといった日常の繰り返しから、今度の企画は通らないかもしれないというような不確定性の高い行動や、予想外の経済危機や災害はかなり低い確率ではあるけれどもいつか起こり得るということまで、つまり、わかりえないことまでふくめて起こるのが世界だということを理解していることです。確実なことは、あなたも私もいつか死ぬということくらいでしょうか。 つまり、世界の詳細な事柄をすべて知るという意味ではなく、世界が全体としてどのように動いているかを知るということです。自分の方も同じです。これからどう振る舞うかを詳細まで知っているということではなく、自分はどんな時にどのように振る舞うかを全体として知っているということです。 このくらい世界について理解していると、生きやすいですよね。もはや、ありのまま、なすがままに生きるしかないと達観できると思いませんか。 このように、自分を知り、世界を知ることは、幸せのための基盤だと思います。
過去を許し、現在を敬い、未来を信じる
次が、「自分を愛し、世界を愛す」です。図1には、 過去の自分を許す→現在の自分を敬う→未来の自分を信じる 過去の世界を許す→現在の世界を敬う→未来の世界を信じる のように分解して述べました。自分を許し、敬い、信じていない人が少なくありません。自分はダメだ。自分にはできない。自己肯定感、自尊感情、自己効力感、自己有能感、自己有用感、自己受容という心理学用語がありますが、これらが低い人です。もっと、ありのままの自分を信じ、大切にすると、幸せになれます。 では、どうすれば、自己肯定感、自尊感情、自己効力感、自己有能感、自己有用感、自己受容を高めることができるのでしょう。全ては関係し合っているから一言では言えないのですが、やはり、自分を理解し、自分を分析し、創造的に未来を描き、多様な人間関係を築くこと。つまり図1を満たすこと。自己言及的ですね。図1の部分を満たすためには、図1の全体を満たすべき。 だから、幸せって、難しいんですよね。すべてが絡み合ったプロセスになっているから。「幸せになるためには、今、幸せであること」のような、論理を超えた論理による説明になってしまうのは、幸せとその要素は複合的な因果関係になっているからです。因果の問題にとらわれてしまうとここで無限ループに陥りますから、次へ行きましょう。 次は、「過去の世界を許し、現在の世界を敬い、未来の世界を信じる」です。 あらゆる争いは、悪循環に基づいています。幸せの好循環の反対です。過去を許さないで怒ったり復讐したりするから負の連鎖は続きます。 過ちは、許しましょう。他の人の過ちも、自分の過ちも。そして、他者を尊敬しましょう。敵も味方もありません。 理想論を述べます。もしも、宇宙のすべての生きとし生ける者が、宇宙のすべての生きとし生ける者の過ちを、すべて、許して、宇宙のすべての生きとし生ける者が皆、尊敬しあい、存在に感謝し、未来を信じ合うことができたら。 平和な世界です。 私はそう考えています。すべての生きとし生ける者は、宇宙号という船に乗った仲間。なにしろビッグバンの瞬間には、みんなただ一点にいたんです。すべての物質もエネルギーも。想像してみてください。みんなが共にいた世界。そこから100億年以上の時を経て、みんなバラバラになっているように見えているだけ。みんな同根なのです。そんな同根の私たちの一部が、過去に何か争ったとしても、宇宙から見れば些細なことです。そんな些細なこと、すべて許そうではありませんか。許すも何も、許されています。現在ここにありありと在るのですから。 そう考えると、未来も、信じるも何も、信じるに足ります。これからも私たちの一部は争うかもしれませんが、それも含めて許しましょう。今、このままで、幸せなのですから。