【ソフトバンク】山川穂高がリチャードに課す地獄の特訓 体で覚えさせる「何か知らんけど結果が出る」方法
ソフトバンクの山川穂高内野手が25日、リチャード内野手に“大改造”を施していると明かした。みずほペイペイでトレーニングを終え、福岡での自主トレを打ち上げた2冠王。未開花の弟分がひと皮むけるために「常人では乗り越えられない練習」を課しているといい、一塁のポジションが重複することもいとわず、レギュラー奪取へ手助けをしている。 たっぷり2時間の練習を終えた山川が開口一番「今、リチャードすごいですよ」と報道陣に話した。「軍人のような練習をさせています。これからピッチを上げていくので、楽しみにしてください」と悪い顔で笑った。 昨年まで西武の主砲とソフトバンクの2軍選手という関係ながら、同郷のよしみで合同自主トレを行っていた。リチャードの類いまれな能力を「僕や村上(ヤクルト)、岡本(巨人)より上」と買う山川は、継続して過酷な練習を課せば、大化けすると確信している。だがやはりチームが違うと一挙手一投足、箸の上げ下げまで指図するわけにはいかない。目が届かないところにいると、相棒は自分に負けてしまうのだ。 「リチャードが悪いわけじゃない。そういう(持って生まれた)ものなんですよ。プロ野球は基本、頭で考えないとダメな世界ですが、(彼は)頭で考えてプレーしてはいけないタイプ。それを凌駕(りょうが)する力を持っている。何も考えずに来た球を『ハイハイ』って打ったら、何か知らんけど結果が出るようにつくりあげていったほうがいいなと感じたんです。めちゃくちゃ体を追い込んで、バットを死ぬほど振らせてつくりあげていくことがいいと思うんですが、僕が違うチームでいると難しかった」 山川のFA移籍で同じチームになって丸1年。昨オフは実現しなかった合同自主トレも実施し、先に帰郷していたリチャードとともに、26日から故郷・沖縄でさらに厳しいトレーニングを行うのだ。果たしてどのような練習をしているのか。 「非効率な練習です。今は100回やらないといけないことを10回でやらないといけない時代。AIも含め、無駄な練習を省いていく時代です。でも(リチャードは)むちゃくちゃ無駄な練習も含めて、とにかく量です。休むヒマもない。普通の人が100回やることを1万回やらせる。根性練習です。僕がアイツのメニューをセット数から全部決めてます。『山川さん、これちょっとキツいです』って言ったら『はいセット追加~(笑)』って本当にやらせてます。まだ1か月くらいしかやってないですが、相当強くなってますよ。今、25年の人生で一番球場に来るのがイヤになっているんじゃないですか」 常々、リチャードを評して「周りが『もったいない』というのも実力」と話している山川。「それを根っこから一緒にトレーニングして変えている」と意気込む鬼軍曹は、非効率ながら「これだけ練習をしたんだから誰にも負けない」という心意気を弟分に植えつけようとしているのだ。大みそかも沖縄の砂浜で“非効率の極み”のような儀式を行うのだという。 「リチャードと1000回くらいバットを振って、1000本目で年越しというね。除夜の鐘に合わせて1080回もいいですね。でもね、1000回振ったら、4時間かかるんですよ(笑)」 1月の自主トレ公開時には報道陣にも非効率なトレーニングを課す。「皆さんもジャージーで来てくださいよ。我々の気持ちを分かってもらえると、こっちとしても快く(取材対応)できるんで。1週間くらいは動けないものと思っていただければ」と鬼軍曹。最先端技術を用いたトレーニング、AI革命を野球に落とし込むことにかけて球界のトップランナーであるソフトバンク。そんな球団のロマン砲が、アナログな特訓で活路を見いだす。
報知新聞社