「自白以外の事実関係を軽視」トラック放火の無罪判決を破棄…事実誤認の疑いあると福岡高裁が差し戻し
2022年に熊本県宇城市で知人のトラックを燃やしたとして建造物等以外放火罪に問われた福岡県久留米市の作業員の男性被告(35)の控訴審判決が7日、福岡高裁であり、市川太志裁判長は「1審判決は自白以外の事実関係を軽視しており、事実を誤認した疑いがある」とし、無罪(求刑・懲役3年)とした1審・熊本地裁判決を破棄し、審理を地裁に差し戻した。 【写真】熊本地裁
1審判決は、放火したとする逮捕前の被告の供述調書について「警察官に迎合的な供述をした可能性が否定できず、信用性を認められない」とし、第三者の放火の可能性も否定できないと判断していた。
この日の判決は、トラックの燃えた時刻などを検討し、直前に現場を訪れた被告以外の人物が放火した可能性は低いと指摘。逮捕後に弁護人が付いた後も認めていたことから、「自白が信用しがたいとはいえない」と結論付けた。