インドのビューティ市場が急成長 小売業の出店や高級ブランドの市場参入活発に
インド小売り大手はビューティ領域を強化
今回「ナーズ」はショッパーズ・ストップの子会社であるグローバルエスエスビューティーブランズ(GLOBAL SS BEAUTY BRANDS)と戦略的パートナーシップを締結。同社は昨年、ロレアル(L'OREAL)が展開する「プラダ ビューティ(PRADA BEAUTY)」「ヴァレンティノ ビューティ(VALENTINO BEAUTY)」「ミュグレー(MUGLER)」「ラルフ ローレン(RALPH LAUREN)」「アザロ(AZZARO)」「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」「アトリエ・コロン(ATELIER COLOGNE)」「ヴィクター&ロルフ(VIKTOR&ROLF)」のフレグランスを含むプレステージブランドを手掛けるなど、近年ビューティカテゴリーに注力している。昨年初めには「キリアン(KILIAN)」4店舗を出店し、昨年1月から同社と提携する「クラランス(CLARINS)」は今後数カ月以内に10店舗の出店を予定。今年前半には「グッチ ビューティ(GUCCI EBAUTY)」「プラダ ビューティ」「アルマーニ ビューティ(ARMANI BEAUTY)」「ヴァレンティノ ビューティ」のカラーコスメの発売も控えるなど、小売業者側も自社でブランドを所有する動きが増えており、これは時代の変化を示している。 「ビューティは次なる革命を起こすだろう」と話すのは、ショッパーズ・ストップのビジュ・カシム(Biju Kassim)=ビューティ部門CEOだ。同社のグループ売上高の16.5%はビューティ事業が占めており、今後さらに大きく伸長すると期待を寄せている。
ビューティECの実店舗出店も加速
プレステージブランド参入の勢いが加速する一方で、ビューティ小売りも存在感を増している。インド国内最大の小売りチェーンであるリライアンス・リテール(RELIANCE RETAIL)が運営するオンラインビューティサイトのティラ(TIRA)と、タタ・グループ(TATA GROUP)によるオンラインストア、タタ・クリック・パレット(TATA CLIQ PALETTE)はそれぞれ初の実店舗を昨年オープンし、オフラインビジネスを強化している。 また、「ブルガリ(BVLGARI)」「ゲラン(GUERLAIN)」「エルメス(HERMES)」などのブランドを展開する老舗美容品販売会社ビューティ・コンセプト・プライベート(BEAUTY CONCEPTS PRIVATE)は、ニッチなフレグランスを集積する「メゾン・デ・パルファム(MAISON DES PARFUMS)」の5店舗目を出店し、美容ECサイトのビューティ・センチメンツ(BEAUTY SCENTIMENTS)の小型実店舗をビューティ商品が手に入りづらい第2、第3都市10カ所にオープンした。 EC大手もこの勢いに続き、アマゾン・インディア(AMAZON INDIA)は「グローバル・ビューティ・ストア」を立ち上げ、ビューティカテゴリーを拡大。米国の小売最大手ウォルマート(WALMART)傘下のファッションECミントラ(MYNTRA)もビューティカテゴリーを強化し、現在「M・A・C」「クリニーク(CLINIQUE)」「ベネフィット・コスメティクス(BENEFIT COSMETICS)」「ニックス プロフェッショナル メイクアップ(NYX PROFESSIONAL MAKEUP)」など1500の国内外ブランド、約9万SKUを取り扱うなど急成長中だ。