北海道から近畿まで2024年度に新規開通する「高速道路」6本、区間は短くても利便性の高まる路線が続々開業
紀勢道もまだまだ細切れ開通なので、全通への歩みは遅いが、並行する一般道(国道42号線)のカーブや高低差は国道9号線以上にきびしいため、その役割は重要である。かつて、国鉄の紀勢本線(現JR紀勢線)も難所が多く、全通したのは1959年と、当時の国鉄の幹線の中でももっとも遅い部類であった。 最後の開通区間は、三重県の尾鷲市と熊野市の間であったが、高速道路も紀伊半島南東部が未開通区間となっている。観光資源が豊富なエリアで、名古屋方面からも大阪方面からも交通需要が多い場所だけに、紀勢道の全通が待たれると言えよう。
なお、残る大幹線の工事区間、新東名の新秦野IC~新御殿場ICと新名神の大津JCT~城陽JCT、八幡京田辺JCT~高槻JCTの開通は、まだ数年先の見込みである。また、新規開通ではないが、暫定2車線区間の4車線化の着手も各地で発表されており、せっかく高速道路がありながら渋滞や事故の多い区間の解消も少しずつ進んでいる。
佐滝 剛弘 :城西国際大学教授