完全優勝へ王手をかけた池村寛世

◇１２日　▽男子ゴルフ国内メジャー大会第３戦　日本オープン第３日（埼玉県狭山市、東京ＧＣ） 　初日のビッグスコアで飛び出した池村寛世（２９）＝ディライトワークス＝が７１でスコアを落としながらも通算３アンダーで首位を守った。日本オープンでは２０２２年にアマチュアで優勝した蟬川泰果以来の完全優勝へ挑む。７０で回った木下稜介（３３）＝ハートランド＝が池村と並んで首位。史上６人目の大会３勝目を狙う稲森佑貴（３０）＝国際スポーツ振興協会＝と１８、１９年賞金王の今平周吾（３２）＝ロピア＝が１打差で追う。 　　◇　　◇　　◇ 　初日から首位を走る池村が、トップを譲らないまま最終日に臨む。 　前半は２バーディー、２ボギー。３ラウンドとも難易度が最も高い５２４ヤードの３番パー４でバーディーを奪った一方で５、６番は連続ボギー。後半も１つ落とし「パットが入らない一日だった」と振り返った。とはいえ、この日のパーオン率は７２・２２２％で３位タイ。安定したショット力でミスを最小限にとどめた。 　途中からは実質的に５人による優勝争いとなった。大会２勝の稲森、２年連続賞金王の今平、国内メジャー優勝経験のある木下、昨季の賞金王で今季の欧州ツアーを制した中島啓太が並ぶリーダーズボードを「何でこの中に俺がいるんだ、と思いながら見ていた」と自虐気味に笑いを誘う。 　初日に６３の好スコアで飛び出し、２日目以降は７３、７１とスコアを落としながらも首位を堅持した。「貯金をどんどん切り崩している」と苦笑いを浮かべつつ、「（初日のスコアは）あらためて異次元だと実感した」とも。第２、３ラウンドはともに６７がベストスコア。今大会の３日間では唯一のボギーなしでマークした６３は圧倒的だ。 　１９８５年以降の日本オープンで、初日から首位を譲らない完全優勝はこれまで計６人が８度、記録している。 　「チャンスがあるなら飛び抜けて優勝したい。初日と同じことをすれば誰も追いつけない」。最終日最終組で自虐ネタはいらない。自信を胸に、堂々と初の国内メジャータイトルを奪う。