大野豊氏 先発・玉村は勝ち運に恵まれていなくてもゲームはしっかりつくっている
◇交流戦 広島1-3ロッテ(2024年6月8日 マツダ) 【大野豊 視点】佐々木朗希という投手を攻略するのは難しい。改めてそう痛感した。序盤はフォークにバラつきがあったものの、それも徐々に修正され、スライダーを含めてストライクゾーンに投げ込んできた。そうなると一層打てなくなる。絞る以前にタイミングが取れない。 初回2死一、二塁での末包、敵失で1点を先制した2回、なおも2死三塁での秋山。1本が出れば…という場面だが、甘い球は1球もなく、打ちにいっても打てない。佐々木のような投手はそうそういるわけではなく、切り替えて次戦に備えるのが得策だと思う。 玉村についても触れたい。初回1死一、二塁を踏ん張ったのが大きく、以降は走者を出しても良いリズムで投げていた。強いて言えば5回。2死までこぎつけ、それまで低め低めにいっていたスライダーが、荻野の初球にだけ高めに入った。 不運ではある。前回のソフトバンク戦は自責0。今回もしかりだ。勝ち運に恵まれていなくても、ゲームはつくっている。辛抱強く、こうした投球を続けてもらいたい。(スポニチ本紙評論家)