『スーホの白い馬』『くじらぐも』 国語の教科書検索サービスに懐かしむ声 出版社に聞いた教科書の歴史
教科書などの出版物を扱う光村図書が、ホームページ内に『教科書クロニクル』というサイトを新たに公開。これに対し、SNSでは「懐かしい」「エモい!」といった声や、表紙やタイトルを見て「うるうるしちゃう」「案外覚えてる!」など、世代をこえて話題となっています。なぜ、このようなサイトを公開したのか? 光村図書の広報担当に聞きました。 『教科書クロニクル』は、生年月日を入力すると、小学生・中学生の頃に使っていた国語の教科書が検索できるシステムです。自分だけでなく、親世代がどんな教科書を使っていたのか、どんな作品が載っていたのか、様々な年代の教科書を振り返ることができます。
■保護者も教科書に興味を
1949年(昭和24年)に創立し、1950年から教科書を出版しているという光村図書。広報の木塚さんによると、同社の国語の教科書は戦後から数えて日本人の約2人に1人が教材として読んでいるそうで、小学校・中学校の国語の教科書では、国内シェア約60%になるといいます。 そのため、保護者などから“昔の教材をもう一回読んでみたい”、“どうしても作品が思い出せない”という問い合わせが頻繁にあったそうで、約20年前から教科書の表紙だけを一覧にして、ホームページに公開していました。 今回、検索できるシステムが追加された理由について、木塚さんは「サイトのリニューアルに合わせて、広報部の中から“せっかくなら楽しんでもらえるようにしたい”という話が出たことがきっかけです」と明かしました。
■『くじらぐも』や『スーホの白い馬』、『ごんぎつね』 50年以上教材として扱われる作品も
光村図書から出版される小学校の教科書では、『くじらぐも』や『スーホの白い馬』、『ごんぎつね』、『白いぼうし』、『やまなし』などが、50年以上前から今も教材として扱われています。また、中学校の教科書では1955年(昭和30年)から『少年の日の思い出』が、1962年(昭和37年)からは『走れメロス』が掲載され続けています。 使用する教材は地域によって違いがありますが、木塚さんは「保護者の世代が教わった作品が、今の教科書にも載っていることになるので、子どもや孫がどんな勉強しているのか興味を持ってもらえれば」と、サイトを公開した狙いについても明かしました。