早実のスーパー1年生、清宮は、清原、松井を超えるか?
早実のスーパー1年生、清宮幸太郎内野手(16歳)が甲子園出場に王手をかけた。前日に行われた日大三高との準決勝では、あわやホームランの決勝2点タイムリーツーベースを放ち、その非凡さをアピールしたが、明日、26日の西東京大会決勝戦の相手は春の選抜代表校の東海大菅生。ドラフト候補である勝俣翔貴が先発してくるかもしれないが、「次は絶対に勝って甲子園に行きたい!」と腕をならす。 ここまで5試合すべてにヒットを放ち、16 打数9安打9打点、打率・563の数字が怪物ぶりを現している。比較されるのが、同じく高校1年生から、桑田真澄氏とのKKコンビで甲子園を席巻した清原和博氏と、ゴジラこと松井秀喜氏の2人だ。 清原氏は、高校3年間で練習試合を含めた通算本塁打が64本。1年の大阪府大会で2本、出場した甲子園でも横浜商の三浦将明(のちに中日でプレー)から1本打っている。松井氏は、通算60本。1年の夏から「4番・一塁」に抜擢されて、夏の甲子園に登場。初戦の日大鶴が丘戦では「3の0」で本塁打どころかヒットも打てずに甲子園を去ったが、相手投手がその打球に驚愕したというエピソードがある。松井氏の3年夏の明徳義塾戦での5打席連続敬遠は、今でも語り継がれる伝説だが、怪物と言われ、のちにプロでも成功した2人が、高校1年から話題を集める中、夏から甲子園出場を果たしたのは、単なる偶然ではないだろう。 春、夏あわせて、2人の甲子園成績は、以下の通り。 清原 91打数40安打 .440 13本 29点 20四死球 14三振 松井 32打数11安打 .344 HR4 打点13 12四死球 5三振 清原氏の持つ春4本、夏5本の本塁打は、今なお破られていない大会最多記録だ。現在、清宮の通算本塁打は13本。伝説の打者に肩を並べるためには、まず清宮は、1年生での甲子園出場が必須なのだろう。 肉体的には、高校時代の清原氏が、186センチ、86キロ、松井氏が185センチ、85キロだったというから、184センチ、97キロの清宮は、横幅では遥かに2人を上回っている。 では、1年生時点での技術的な比較論はどうなのだろう。 ヤクルトの名スカウトとして清原氏、松井氏の高校時代をマークしていた片岡宏雄氏は、清宮のここまでの試合内容を見た上で、こんな分析をしている。 「清宮君については、正直、まだどうなるかわからない。このまま騒がれて終わるかもしれないし、3年後に素晴らしく伸びるかもしれない。清原、松井とはタイプが違うが、現時点で比較すれば、当時の2人のレベルにはまだ届いていない。清原は、1年のときから実に基本に忠実なバッティングをしていた。広角に打て軸がぶれずに打球が飛ぶ。逆にプロに入ってから変なクセがついてしまって悪くなった方だろう。松井の1年時については記憶はないが、3年時には、ほぼすぐにプロで通用する完成形になっていた」