Keishi Tanakaの「月と眠る」#31 都心からほど近いオアシス
Keishi Tanakaの「月と眠る」#31 都心からほど近いオアシス
ランドネ本誌で連載を続けるミュージシャンのKeishi Tanakaさん。2019年春から、連載のシーズン2として「月と眠る」をスタート。ここでは誌面には載らなかった当日のようすを、本人の言葉と写真でお届けします。 Keishi Tanakaの「月と眠る」 記事一覧を見る。 Keishi Tanakaさんの連載が掲載されている最新号は、こちら! >>>『ランドネNo。135 5月号』。
都心からほど近いオアシス
ランドネ本誌では、家から行きやすいキャンプ場を知っておくことについて書き連ねた。東京の西側に住む僕にとって、それは高尾や奥多摩、神奈川、山梨、静岡、そして埼玉を指す。 今回紹介するのは、埼玉県飯能市にある「喜多川キャンピングベース」。そこでのキャンプのようすを写真とともにお伝えする。 知人からの情報と、オフィシャルサイトのすてきな写真に釣られてすぐに予約をしたので、到着してから初めて場内MAPを見た。案内されたのは9番のサイト。1月の平日だったにも関わらず、すでに数組のキャンパーがテントの設営をしていて、その人気がうかがえる。 案内されたサイトに限らず、すべてがウッドデッキ仕様となっている珍しいキャンプ場。初心者にもおすすめだし、本誌にも書いた通り、濡れてもテントが泥だらけにならないので、撤収が本当に楽なのである。 今回は「MINIMAL WORKS」のテントを持っていった。僕の持っている大、中、小のテントのなかでは、中のテント。小でも良かったのだが、この日は1月のキャンプ。ストーブをテントの中に入れたかったので、少し余裕のあるサイズを選んだ。(ストーブに関しては下部にある「ニューフェイス」のコーナーで)。 写真の中で、カラフルな布に目がいった人もいるだろうか。こちらは前回のこのWEB連載で紹介した「eno」のハンモック。包まれる安心感は他のソレとは一線を画す。 ハンモックに揺られながらビールを飲み始め、少し休憩したら、喜多川キャンピングベースの全貌を知るべく、場内の散歩に出かけた。 とにかく設備がキレイというのが最初の印象である。サイトから一番近い炊事場もトイレも清潔感があり、スタッフの愛情を感じる。 少し陽が落ちてくると、場内の小型LEDランタンが点灯。キャンプ場全体に小さなあかりが灯るのもまた、このキャンプ場の顔のひとつ。昼と夜で表情が変わるのが楽しい。 管理棟に行くと、クラフトビールが売っていた。ビール好きとしてスルーすることはできない。 外に出ると、夕方にも関わらず外は暗い。冬は夜が長い。この季節はそれを楽しむためのキャンプでもある。もちろん寒いが、虫はいないし、なによりも焚き火が楽しい季節である。 寒いときこそ焚き火が最高だ。それでも冬の焚き火は真夜中までというよりは、夕方から夕食くらいまでが良い。なるべくながく焚き火を楽しむために、少し早めに火をつけた。熱燗を飲みながら、ゆっくりと時間が流れていくのを感じる。至福のとき。 夕食はテントの中で食べることにした。ストーブを入れたテントは、冗談抜きで上着がいらないほどに暖かい。もちろんテントのサイズやストーブのスペックにもよるのだが、ダウンを着て震えながらすごすイメージとはほど遠い。 この日の夕食はチゲ鍋と熱燗。そして、それを食べながら、翌日の仕事用に持ってきていたパソコンで、ドラマ「VIVANT」の最終回を観る。これはこれでなんともぜいたくなキャンプなのである。 寝る前に5分ほどハンモックに揺られた。写真と実際の景色はやはり別のものだが、少しでも最高なキャンプ場と最高な時間について伝わればうれしい。 >>>喜多川キャンピングベース。
★今月のニューフェイス
PASECO JKH-1 ¥19、800。 今回のキャンプで大活躍した石油ストーブ。じつはニューフェイスである。そろそろ自分のものを持とうと思った昨年末、いろいろ調べた末に購入したものだ。数ある石油ストーブのなかで、見た目とスペックと価格のバランスが一番良いと感じたのがこの商品。上部にやかんや鍋はもちろん、湯たんぽも乗せられるのが◎。
ランドネ編集部