「前総務部長から聞いた」 告発者私的情報の漏洩疑惑 兵庫百条委に複数県議が説明
兵庫県の斎藤元彦知事ら県幹部を内部告発した元県西播磨県民局長の男性の私的情報について、複数の県議が、県議会調査特別委員会(百条委員会)の聞き取り調査に前総務部長から聞いたと説明していることが17日、関係者への取材で分かった。前総務部長は、懲戒処分に関する中心的な役割を担っていた。県は地方公務員法(守秘義務)に抵触する可能性があるとして調査している。 【時系列で見る】兵庫県知事らを巡る内部告発の経緯 男性の懲戒処分を巡り、県は3月25日に、男性の私的情報が保存されていたとされる公用パソコンを回収。その後の県の内部調査で告発文書の核心的な部分が事実ではないなどとして、5月、男性を停職3カ月の懲戒処分とした。 男性は、7月初め、代理人を通じて百条委に「プライバシーに配慮してほしい」と要望。百条委は告発とは無関係な文書の開示はしないと決めていた。 関係者によると、百条委は今月16日に非公開で複数の県議に聞き取り調査を実施。4月中旬ごろに前総務部長から、男性の私的情報の記録を見せられたり、口頭で内容を聞かされたりしたとの証言があったという。 前総務部長は10月25日に開かれた百条委の証人尋問で男性の私的な個人情報を印刷し、所持していたことを認めた。一方で、漏洩(ろうえい)については「守秘義務違反の嫌疑を受ける可能性が生じる」などとして証言を拒否していた。 男性の私的情報とされる内容は、知事選(11月17日投開票)期間の前後から交流サイト(SNS)で拡散されており、県は第三者機関を設置して慎重に調査するとしていた。