京都御所を出発する、清少納言（中央右）と紫式部（同左）ら平安時代婦人列の行列（京都市上京区で）＝川崎公太撮影

　京都三大祭の“トリ”を彩る「時代祭」が22日あり、平安時代から明治維新までの様々な衣装をまとった約2000人の行列が、都大路を優雅に練り歩いた。心地よい秋風が吹く中、沿道には約4万2000人（京都府警調べ）が詰めかけ、壮大な歴史絵巻に見入った。

風流踊を披露する、室町洛中風俗列の町衆ら

　1895年に始まり、今年は130年目。行列は正午に京都御所（京都市上京区）を出発し、烏丸通や三条通を経て約4・5キロ先の平安神宮（左京区）までの道のりをゆっくりと進んだ。

京都御苑を進む、織田公上洛列の織田信長（中央）ら

　衣装など約1万2000点は、時代考証に基づいて忠実に再現されている。平安時代婦人列では、NHK大河ドラマ「光る君へ」の舞台である宮廷での女房衣装などが注目を集めた。ドラマではライバル同士で火花を散らす紫式部と清少納言役をそれぞれ務めた先斗町の 芸妓（げいこ）・ 珠雪（たまゆき）さんともみ福さんは、「仲良しどす」と話していた。

　平日ということもあり、沿道には多くの外国人観光客が見られた。米国から訪れた人（39）は「京都でとても大切にされている祭りだと聞いた。日本の時代ごとの美しい衣装が見られてうれしい」と満足げだった。

　祭りは地域住民らによって支えられている。40年以上携わり、今回は着付けを担当したという中京区の主婦（66）は「各地域で代々守ってきた祭り。担い手が少なくなる中、正しい着付けの方法など次代にしっかり伝えていきたい」と話した。