「穴はある。だけどイノウエは強い」井上尚弥をWBA世界フェザー級王者が絶賛! 怪物の“軽視”は一切せず「常にKOを狙っている」
新たな挑戦状がボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)に叩きつけられた。送り主は、今年6月に無敗の王者だったレイモンド・フォード(米国)に挑戦し、判定勝ち(2-1)を収めて新王者となったWBAフェザー級王者のニック・ボール(英国)だ。 【画像】米記者が愕然とした井上尚弥とブルース・リーの比較画像をチェック 敵なしの強さを示し続ける井上。史上2人目となる2階級での4団体統一を果たし、いまだ負け知らずの“モンスター”は、いまや世界の猛者たちにとっても無視できない存在になっている。日夜、世界の強豪から、時には挑発めいた“ラブコール”が届く中で、英国戦士は敬意をもって対戦を求めた。 英メディア『Second Out』のYouTubeチャンネルでインタビューに応じたボールは、今月3日に行われ、テレンス・ジョン・ドヘニー(アイルランド)戦について「ハイライトを少ししか見てないが、ボディショットが効いていたね」と回想。井上が7回に歩行困難に追い込んだ結果をふまえ、「(ドヘニーは)明らかに腰が痛かったのかもしれないが、何であれ、あのまま続けていてもストップすることになったと思う」と指摘した。 ドヘニーが試合後に自身のインスタグラムで「負傷は6ラウンドの終わり、チャンピオンの強烈なボディショットで起こった」と告白したように、6回終盤に井上がコーナーで放った左のボディショットで腰の神経を破壊していた。21戦20勝(11KO)1分けと無敗を誇るボールもそこは見逃していなかった。 1m57cmとフェザー級にしては小柄ながら、積極果敢に打ちに出る“突貫ファイター”には、「(井上には)穴はある。ダウンしたことだってあるんだ。もし対戦したら俺が勝つよ」と明言するように王者としての自負もある。一方でパウンド・フォー・パウンドのトップ3常連ともなっている井上を“軽視”するようなことはしない。ボールは、こうも続けている。 「だけどイノウエは強いよ。彼が頑強なファイターではないとは言えない。どんな相手にも好戦的だし、常にノックアウトを狙っているから見ていてワクワクするよ。試合の組み立ても素晴らしいし、本当にグレートファイターだ」 ドヘニー戦後に「これから身体を作っていって、それも視野に入れていくことはできるのかなと」と語った井上は、5階級目となるフェザー転級の可能性を示唆している。2025年はスーパーバンタム級に留まり、フェザー級転級は2026年になる計画だが、「減量がしんどいなら(フェザー級転級を)前倒しするし、2年たってもスーパーバンタム級でできるならそのまま続ける」とも語るように階級上げに意欲はある。 軽量階級の世界市場で中心にいる井上との対戦は、新王者にとっても悲願だ。ボールは「実現するかもしれない。まだ分からないよ」としつつ、自身の野望を隠そうとはしなかった。 「みんながそれについて話しているからあり得ない話じゃない。彼の名前が出ると、必ず俺の名前が挙がって、逆もまた然りだ。それにイノウエ本人も階級上げを話しているんだから、試合をしない理由は見当たらない。彼がもしも、フェザーに上がってくれば、対戦しない理由はないよ」 10月5日に母国リバプールで、同級13位のロニー・リオス(米国)との初防衛戦に臨むボール。井上との対戦を公言した27歳が、憧れる“怪物”がやってくるまでタイトルを保持し続けられるかは興味深いところだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]