斎藤元彦知事 “新疑惑”で弁護士が会見もモヤモヤ消えず…捜査当局も頭が痛い「“場外戦”の行方」
斎藤元彦氏の再選で幕を閉じたはずの兵庫県知事選だが、まだまだ“騒ぎ”は収まりそうにない――。 【写真】立花孝志氏 青山のクラブで美女に囲まれウハウハの夜 県内の広報・PR会社『merchu』の折田楓代表が斎藤陣営のSNS戦略を一手に引き受けていたとカミングアウトした問題。公職選挙法違反の疑いをかけられた斎藤知事は、11月27日には代理人である奥見司弁護士までが会見を開いたが、折田氏の投稿内容の一部は 「事実を『盛っている』との認識だ」 と述べ疑惑を否定。だが、報道陣の質問に答えが詰まる場面がたびたびあり、とても疑惑払拭とまでは至らなかった。 事の発端は、折田氏が自身のSNSでの発信だった。インスタグラムに 《(斎藤氏が)広報PRのプロとしての私のご提案を聞きに来てくださった》 と載せたかと思えば、当選翌日には 《今回は中から見ていても、本当に様々なドラマやストーリーがあり、事実に基づいたドキュメンタリー映画を作って欲しいぐらい》 と悦に入った。 ◆数百万円もするエルメスの「バーキン」を見せつけ どうやら折田氏は自己顕示欲が強いお人なようで、数百万円もするエルメスの「バーキン」を見せつける写真も。 11月20日にはnoteに 《私が監修者として、運用戦略立案、アカウントの立ち上げ、プロフィール作成、コンテンツ企画、文章フォーマット設計、情報選定、校正・推敲フローの確立、ファクトチェック体制の強化、プライバシーへの配慮などを責任を持って行い、信頼できる少数精鋭のチームで協力しながら運用していました》 と内幕を告白。 《選挙は広報の総合格闘技》 《東京の大手代理店ではなく、兵庫県にある会社が手掛けたということもアピールしておきたい》 と得意げにつづっていたが……。 総務省のネット選挙ガイドラインには、業者に選挙運動用サイトなどに掲載する文案を主体的に企画立案させ、報酬を支払えば 「買収となるおそれが高い」 と明記されている。つまり折田氏の自己アピールによって、斎藤知事に公選法違反疑惑が浮上してしまったわけだ。 これに当の斎藤知事は 「公選法に違反するようなことはしていない」 の一点張り。折田氏のmerchuに70万円の支払いを認めたが、あくまで名目は「ポスター等のデザイン費用」。その内訳はこうだ。 ・メインビジュアル企画・制作(10万円) ・チラシのデザイン(15万円) ・ポスター・デザイン制作(5万円) ・公約スライド制作(30万円) ・選挙公報デザイン制作(5万円) 以上5項目で、消費税10%を含め11月4日に代金を支払ったとしている。 金額だけみれば、ポスター関連費用として妥当性はあるようにみえる。しかし、折田氏がポスター制作のみならず、斎藤知事の選挙戦全般に関与していたことは明らかで、ネット上では街頭演説で斎藤知事をサポートする写真などが拡散されている。 ◆どちらにしても違法だ 『政治資金オンブズマン』代表の上脇博之氏は『しんぶん赤旗』の取材に 《SNS戦略の立案は本来、選対のやることだ。主体性がある立案などは選挙運動にあたる》 と指摘し 《問題の企業に斎藤氏側が報酬の支払いやその約束をしていれば、公職選挙法が禁じる、運動員の買収となる。逆に無報酬なら、政治資金規正法が禁じる、企業から政治家個人への違法な寄付となる。どちらにしても違法だ》 と言い切った。 もはや第三者による刑事告発は待ったなしの状況。問題はその後の対応だ。警察OBの話。 「ここまでの騒動になっている以上、当局は告発状を受理するだろう。斎藤陣営は徹底的に抗うはずで、その間、また兵庫県政は停滞する。また、斎藤知事が失職した場合、もう一度県知事選を行うことになる。先日の選挙でかかった費用は21.6億円あまり。県民の負担は相当で、果たしてそれが妥当かどうか。当局は善悪以外の部分も慎重に勘案するだろう」 選挙戦で代理店やPR会社が介在するのは、政界ではある意味、暗黙の了解とされている。 「与党も野党も大手代理店やコンサル会社に選挙戦略を練ってもらっているよ。だが、今回の女性社長の行動にはビックリ仰天。斎藤知事のミスはそうした女性であることを見抜けなかったことだ」(永田町関係者) 選挙プランナーと呼ばれる男性も 「あんなこと公にされたら、こっちの“商売上がったり”ですよ!」 と憤る。 またしても兵庫県民は振り回されることになるのか――。
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