『スカイキャッスル』原作からの変更点を振り返る 病院内での権力争いはややマイルドに
病院内の出世争いがより熾烈な韓国版『SKYキャッスル』
また、杏子にあたるノ・スンヘ(ユン・セア)は、大学院の博士課程を修了した才女で、夫・ミニョクからモラハラされているものの、しっかりした自分の考えを持つ専業主婦。それは日本版も同様だが、韓国版でスンヘは3人の子どもを持つ母親なので、ミニョクから子どもを守らなければならないのも3人分であるため、夫へのより強い対応が描かれている。特に、留学していたアメリカから帰国した長女と、ミニョクとのいざこざにおいては、スカッとするようなスンヘの決断が描かれているのが面白い。 ほかにも、病院内の出世争いは、オリジナル版の方が熾烈な描き方をされており、その辺りも日本版はマイルドになっている。英世にあたるカン・ジュンサン(チョン・ジュノ)が、恨みを買っていた患者に追い回された際に、患者に銃を突きつけるという不祥事を起こし、センター長の座を逃す事態になるなど、韓国版はより激しい描写が多いのが特徴だ。 日本版『スカイキャッスル』の最終章では、未久を屋上から突き落とした人物の正体や、受験コーディネーターの九条彩香(小雪)に関する“秘密”など、衝撃の事実が明かされると思われる。惜しくも、オリジナルから省略された要素はあるものの、紗英たちが直面する重要な展開は、日本版でも描かれてきたので、最終回までじっくりと見届けたい。
清水久美子