櫻坂46・藤吉夏鈴インタビュー 映画初主演を経て“今”を語る
櫻坂46はもっとできるはず
──藤吉さん自身は高校時代に吹奏楽部の部長でした。映画に登場するかさねはグイグイ引っ張っていく系の部長ですが、ご自身はどうでしたか? なんで部長に選ばれたのかもよくわからないですし、誰よりも努力をして、それを後輩に見てもらって、それで育ってもらおうっていう考えでした。指示とか出せるタイプじゃないので……。 ──だとしたら藤吉さんも男前ですよね。背中で語るみたいな。 そっちだったかもしれないです。今もアドバイスをバンバンして、とかではないですね。 ──6月には櫻坂46で東京ドームの舞台に立ちましたが、振り返ってみていかがですか? 終わった直後の達成感など。 次の日は一日中ベッドから起き上がれなくて(笑)。最後まで力は出し切ったんだろうなって思いながら過ごしてました。でももっと成長したいです。もっとできるはずなので、櫻坂は。 ──「Start over!」のせり上がりの場面なんかは本当に勇ましくて。どんなことを考えているんだろうって。 あの楽曲だけじゃないですけど、同じ楽曲を何度も何度もやるじゃないですか。飽きられてしまうんじゃないかっていう恐怖が去年からすごく大きくて。例えば同じ「Start over!」をやってしまったら新鮮味がなくて、それが嘘みたいで。 ただ決められたものを踊ってるのって怖いじゃないですか、人間味がない感じがして。それがすごい嫌で、そのプレッシャーを自分でかけちゃってるなって思います。 ──それが「とーやまチャンネル(グランジ遠山のYouTubeチャンネル)」での「『Start over!』は時々休憩させてあげたい」という発言につながっているんですね。 そうですね。一旦休憩が必要な楽曲だと思ってます(笑)。 ──今回映画に出てみて、やはり櫻坂46での表現やパフォーマンスとは別の感覚でしたか? グループでは自分の持ってる感情を膨張させてパフォーマンスすることが多いんですけど、やっぱりお芝居の作品は自分が持ってない感情も表現しなきゃいけなくて。 そのギャップがすごく難しいですし、いろんな感情を「あ、知らないんだな」って。もっと知りたいって思いました。 ──では、映画でいうかさねの「世界の隅々まで知り尽くしたいという探究心」のように、藤吉さんが今隅々まで知り尽くしたいものと言うと? やっぱりいろんな感情を知りたいです。プラスの感情もマイナスの感情も全て知りたいです。 ──なるほど、“心の世界”ということですね。藤吉さんは人見知りと言いつつ、人と話すのはお好きですよね。それも感情を知りたいという思いがあるからでしょうか。 そうですね。たしかに人と話すの大好きです。どちらかと言うと聞くのが好きです。 ──YouTubeではこの前ひとり旅で廃墟探索に行かれてました。次回を楽しみにしているファンの方も多いと思いますが、行ってみたいところはありますか? めちゃくちゃ意外だと思うんですけど……島とか行ってみたいですけど、それってたぶんイメージ通りのことじゃないですか、きっと。初めて言うんですけど……メイド喫茶に行きたくて。かわいいフリフリのお洋服着て、普段そんなかわいい空間ってなかなかないじゃないですか。行ってみたいです。 ──全然恥ずかしがらなくていいと思います! 絶対楽しいですし。動画でもう一つ引っ掛かったのが、一番好きな日本語を“粗雑”とおっしゃっていたところで……。 人間の粗がすごい好きで。「粗雑」粗々しいさま……人に対しても思いますし、建物とかも新品はあんまり好きじゃなくて。ボロボロな方がかわいいなと……なんで好きなんだろう(笑)。 ──人に対してというのは、大雑把な人が好きなのか、完璧そうに見える人の粗を見つけたときにキュンとするのか、どちらなんでしょう。 完璧に見せたいじゃないですか、人って。そのときに出る粗があるのが、人間らしくて好きです。