緩和期に膨らんだ「住宅ローン残高」のヤバい実態 20~40代の負債は預金の倍以上になっている
超低金利の時代に適用された変動金利は当初の適用利率が1%未満のものが多く、かつ、住宅ローン減税などの国からの支援もあったために、実質的な金利負担はごくわずかだった。短期金利が上がれば、利用者の負担は増える。 借入金を3000万円と仮定すると、変動金利が0.25%上がれば当初の返済負担額は年間7万5000円増える。0.5%上がれば、15万円の負担増だ。家計部門も、異次元緩和で預金残高は大きく増えたが、その大半は高齢者の保有である。
高齢者の家計は利上げの恩恵を受けるが、20代、30代、40代は預金残高の倍以上の負債残高(住宅ローン残高)を有しており、若い世代の家計は圧迫される。利上げ幅が拡大すれば、住宅ローンの条件変更も多数発生する可能性がある。注視を怠れない。
山本謙三 :オフィス金融経済イニシアティブ代表