情報BOX:トランプ次期米大統領が表明した関税方針、影響受けそうな企業は
[26日 ロイター] - トランプ次期米大統領は25日、就任初日にメキシコとカナダからの全ての輸入品に25%の関税を課し、中国からの輸入品に追加で10%の関税を課すと表明した。 メキシコに製造拠点を持つ企業は以下の通り。 <アジアの自動車メーカー> *ホンダ メキシコで生産する車の80%を米国市場に供給。青山真二最高執行責任者(COO)は今月、米国がメキシコからの輸入車に恒久的な関税を課すことになれば、生産移転を考えなければならないと発言した。 *日産自動車 メキシコに2つの工場を持ち、米市場向けにセントラ、ヴァーサ、キックスを生産。今年1─9月のメキシコでの生産台数は約50万5000台。そのうちの何台が米国市場に輸出されたかは公表していない。 *トヨタ自動車 メキシコでの事業は相対的に小さく、ピックアップトラック「タコマ」をメキシコの2工場で生産。昨年は米国で23万台以上のタコマを販売し、同市場での総販売台数の約10%を占めた。以前はタコマを米国で生産していたが、現在は全てをメキシコから出荷している。メキシコ工場で生産しているのはタコマのみで、ほとんどは米国への輸出用。 *マツダ 昨年はメキシコから米国市場に約12万台を輸出している。毛籠勝弘社長は今月、関税問題について、個々の企業で解決できる問題ではないとの見方を示し、対応を決める前に詳細を慎重に検討すると述べた。 *韓国の起亜 メキシコに工場を持ち、米国市場への輸出用に、自社ブランドの自動車のほか、関連会社である現代自動車のスポーツユーティリティービークル(SUV)「サンタフェ」を少数生産している。 <テスラのサプライヤー> 米電気自動車(EV)大手のテスラは2023年、同社がメキシコに計画しているギガファクトリーに主に供給するため、中国のサプライヤーに対してメキシコに工場を設立するよう奨励。テスラは当初、25年初頭にメキシコで生産を開始する計画だったものの、今やその目標は事実上撤回しており、テキサス工場の拡張計画にシフトした。 <中国の自動車メーカーとサプライヤー> シートメーカーの延鋒汽車内飾系統有限公司のような中国の自動車部品メーカーの一部は、コスト削減のために生産能力をメキシコに移転した米ゼネラル・モーターズ(GM)やトヨタ自動車などの自動車メーカーに供給するため、長年にわたってメキシコで生産してきた。 中国の電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)はメキシコに工場を建設する場所を探しているが、工場はメキシコ市場への供給向けで、米国で販売する車は生産しないとの方針を示している。 安徽江淮汽車集団(JAC)は17年からジャイアント・モーターズと合弁会社を設立し、メキシコでJACブランド車を組み立てている。 上海汽車傘下のMGは8月、メキシコに工場を建設する計画を発表した。 <鴻海> 世界最大の電子機器受託生産企業である台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業は、米半導体大手エヌビディアと共同でメキシコに巨大な人工知能(AI)サーバー工場を建設中。来年早々に生産を開始する予定で、エヌビディアのAIスーパーチップ「ブラックウェル」を搭載した液冷サーバーを製造する。 <レノボ> 中国のコンピューターメーカー、レノボはメキシコのモンテレイに大規模な生産拠点を持ち、21年に拡張した。そこでサーバーやその他のデータセンター製品を製造している。同社は21年、北米市場向けのデータセンター製品は全てモンテレイで生産するとした。 <LGエレクトロニクス> 韓国のLGエレクトロニクスは、メキシコの生産拠点でテレビ、家電製品、電気自動車部品を製造している。同社は26日、貿易政策の変更を含むさまざま可能性を検討していると表明した。