HKTとNGTが合同ライブ 重圧で涙した藤崎未夢さんを救ったのは…「大丈夫」のひとこと
重圧で涙止まらなかった藤崎さん 「大丈夫」の一言に救われた
藤崎さんは、計り知れないプレッシャーを感じていました。NGT48も単独コンサートをやっていますが、在籍メンバーの半分以上が新型コロナ渦以降に加入し、他のグループとのコラボは未経験でした。 今回はHKT48の曲も覚えなければいけない中、振り入れから本番まで時間がいつも以上に限られていました。 前日のリハーサルでは、実際に全メンバーがステージに立って始めて分かったこともあり、都度確認することもたくさんありました。そして、HKT48と同じステージに立つことへの見えない重圧――。 「今まで経験したことのない責任感と、感情が押し寄せてきました」 2日目のライブを数時間後に控えたころ、それはピークを迎えます。「動き回っているなか、自分に余裕がなくなって、ぷつんと糸が切れてしまいました」 ステージの裏で、涙があふれて止まらない。この後、ライブがある、動かないといけないと思うほど焦ってしまう。 そんな時、偶然通りかかったのが豊永さんでした。 「大丈夫、大丈夫」 軽い口調でそう言って、立ち去っていったそうです。「理由も何も聞かず、ただ声をかけてくださったことが、すごくうれしかったです」 豊永さんはこう振り返ります。「何があったのかは、今でも知らないですが、多分(キャプテンとして)すごくプレッシャーを感じていて、でもどうしていいのか、私たち以上に分からなかったかも知れないと感じました」 「『大丈夫』としか言えないけれど、言ってくれる人がいるだけで私もかなり救われてきたので…」 豊永さんはNGT48卒業生の本間日陽(ひなた)さんと仲が良く、今年3月のNGT48劇場での本間さんの卒業公演に姿を見せて、感謝をつづった手紙を朗読しました。 その際、藤崎さんとも連絡先を交換していました。こまめには連絡を取り合ってはいませんでしたが、リハーサルで顔を合わせ、一緒にステージをつくっていく中で、折をみて、藤崎さんに声をかけていたそうです。 迎えた2日目のステージ。本編のラストは総勢75人のメンバー全員で「君とどこかへ行きたい」。両キャプテンがWセンターを務めました。 「振り付けのなかで豊永さんと目線を合わせる瞬間がすごく多く、安心できました。目を合わせるタイミングでないところでも、目を合わせてくださって、それもとてもうれしかったです」と藤崎さんは感謝を口にします。 豊永さんは「『君とどこかへ行きたい』は希望や、出会いと別れ、色々な思いが詰まったコロナ後のHKT48にとってとても大切な曲。それを一緒にできて、私もうれしかったです」と語り、こう続けます。 「この曲は元々(メンバーの加入時期が)お姉さんチーム(つばめ選抜)と妹チーム(みずほ選抜)の2チームでシングルを発売したのですが、ちょうど、HKT48とNGT48もグループの特色が姉妹っぽいと感じていたので、今回一緒に披露した時、すごく噛み合っていた気がしました」 アンコールの締めくくりはNGT48の代表曲「Maxとき315号」。藤崎さんが声を張り上げて曲名を告げると、イントロに合わせて、客席から地鳴りのようなコールがわき起こりました。 「(加入して以来)それまで聴いたことのない歓声の大きさでした」と梁瀬さん。 豊永さんは「HKT48ファンもNGT48のファンも、あの場にいたみんなが、コロナ渦を経て、どこか懐かしい、でも今という時がぎゅっと詰まった時間を共有していると思うと、胸が震えました」と振り返ります。 今回が得がたい経験となった藤崎さんは、こうした他の48グループとの交流の機会が増えることを願っています。 「その日しか見られないステージをみなさんに楽しんでいただけたし、他のグループと交流すると本当に色々な刺激を受けられるので、また一緒にできればと思います。その時は、もっともっと成長した姿をお見せしたいです。それが、他のグループのファンのみなさんにもそれぞれのグループの良さを知ってもらえるきっかけになると思います」