松本人志の復帰プラン『笑ってはいけない』や『すべらない話』の新作も?「ダウンタウンチャンネル(仮)」に期待してしまう理由
歴史を作り変えてきた松本が最後に何を生み出すのか?
具体的には、「ダウンタウンチャンネル(仮)」はどんなサービスになるのか。間違いなく、お笑いの歴史をかえるようなサービスになるだろう。そもそも、松本はさまざまな笑いのフォーマットを確立してきた芸人だ。 90年代には、個人でビデオ作品『ダウンタウン松本人志の流 頭頭(とうず)』、『HITOSI MATUMOTO VISUALBUM』など、コントやネタを披露する実験的な作品を販売。さらに、大喜利を進化させた『一人ごっつ』(フジテレビ系)、トークの新たなフォーマットを作った『人志松本のすべらない話』(フジテレビ系)、大喜利の進化系『IPPONグランプリ』(フジテレビ系)を制作している。 さらに、笑わないおもしろさを極める『笑ってはいけないシリーズ』(日本テレビ系)と、進化系となる『ドキュメンタルシリーズ』(Amazon Prime Video)を生み出した。ここに書ききれないくらい、現在のバラエティ番組で普通に行われているネタや企画の原型を、松本はブレーンたちと作り出している。そんな松本が仕掛ける新サービスとなり、期待せずにはいられないところだ。
2025年のエンタメ界で「もっとも話題を集めるコンテンツ」に
では、どんなものが制作されるのか? まず、松本はインタビューで「一発目は浜田と二人でやりたい」と明言している。つまり、ダウンタウンとして活動するということで、『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系)で見せたようなコントが予想される。さらに、松本個人では『IPPONグランプリ』や『ドキュメンタルシリーズ』のように、他の芸人も起用した競技番組も制作するだろう。松本の呼びかけがあればほとんどの芸人は協力するだろうし、全く思いもよらない企画が生み出される可能性が大だ。 また、局との権利問題もあるがファンとしては、『笑ってはいけない』、『すべらない話』の新作を期待するところ。このあたりは、吉本興業も含め確実に狙っていくところでは無いだろうか? 「ダウンタウンチャンネル(仮)」は、2025年のエンタメ界でもっとも話題を集めるコンテンツになることは間違いないだろう。 ただ、懸念点としては、松本のアバンギャルドな実験性が色濃く出過ぎないかという部分だ。これまで、『大日本人』、『しんぼる』『さや侍』、『R100』と4本の映画で監督を務めた。どれも実験的な映像作品で興味深かったが、お世辞にもヒットしたとは言えない。松本の頭の中を覗き見できるおもしろさはあるが、映画監督として見せた独創性が一人走りしてしまうと、「ダウンタウンチャンネル(仮)」も危険な状況になるかもしれない。しっかりコントロールできるブレーンがいるのかは、チャンネルがおもしろくなる大きなポイントになりそうだ。 何にせよ、2024年のクリスマスに、超弩級のインタビュー記事を世に送り出してきた松本人志。批判の声があるものの、多くの日本人が松本のお笑いを求めているだけに、来年は予定通り春に「ダウンタウンチャンネル(仮)」が開設されることを願いたい。 <TEXT/ゆるま小林> 【ゆるま小林】 某テレビ局でバラエティー番組、情報番組などを制作。退社後、フリーランスの編集・ライターに転身し、ネットニュースなどでテレビや芸能人に関するコラムを執筆
日刊SPA!