交流戦前にセ首位に立つ阪神を下柳剛が徹底分析!ケガ人を出さない理由から自身が体験した岡田流チームマネジメント術まで…「強さの秘訣」を解き明かす
戦い方を左右するコンディショニング
自分も先発投手として投げていた当時の第一次岡田政権下のメンバーで思い出される人物がもう一人。山下幸志トレーナーだ。この先もっとも怖いのがレギュラー陣のケガ。現時点で阪神に大きなケガ人が出ていないのは幸いだ。この状態を維持するためにもコンディショニングは大事な要素になる。 コンディショニングに関しては選手個々によって事情もやり方も異なる。だから個人の判断にゆだねられることが多い。自分の場合、必ず湯船に浸かるようにしていた。ホームはもちろん、ビジターの時も、なにがなんでも湯船にだけは浸かる。湯船に浸かることでだいぶ身体が休まる感覚があった。 あと、この先夏場になると、ナイターでの試合が増える。高校野球の影響でビジターの試合が増え、ドーム球場での試合が続くようになると、陽に当たらなくなる。すると交感神経と副交感神経の入れ替わりが難しくなり体調維持も難しくなる。 だから、自分は球場と自宅やホテルの往復だけ、というのは避けて、日中は必ず散歩に出るようにしていた。ラーメン屋に行くでも映画を見に行くでもいい、とにかく外出して日光を浴びるようにしていた。
トレーナーの尽力があってこそ
一方で、チームのトレーナーさんに管理してもらっていた部分もある。先発した試合後、マッサージを受けずに帰ろうとして呼び戻されたこともあった。その時呼び戻してくれたのが山下トレーナーだ。 先発陣って、試合後のマッサージが野手やリリーフ陣の後になる。待つ時間があるぶん、たまに「今日はもういいや」と帰ってしまうことがあった。すると「マッサージを受けてください」と電話がかかってくる。それでまた球場に戻る(笑)。そのまま帰ることを許してくれなかった。それくらい選手のコンディションを気にかけてくれていた。そのトレーナーさんが今も阪神で働いている。今もきっと同じように責任感をもってトレーナーの仕事をしているんじゃないかな。そういう裏方の支えもあってケガ人が出ていないというのも忘れてはいけない。
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