「熱中症特別警戒アラート」運用開始 危険な暑さに注意呼びかけ 指定クーリングシェルターの開放義務化も
環境省は、都道府県内すべての地点で、暑さ指数「35」に達すると予想された場合に発表される「熱中症特別警戒アラート」の運用を開始する。 「クーリングシェルター」に指定された公共施設の開放も義務づけられ、専門家は、健康被害を減少させる適切で必要不可欠な対応だと評価している。 【画像】親子で絵本などを楽しみながら、暑さをしのぐことができる子ども図書館
気軽に暑さをしのげる「クーリングシェルター」設置
環境省は、危険な暑さへの注意を呼びかける「熱中症特別警戒アラート」の運用を、24日から開始する。 24日から運用が開始する「熱中症特別警戒アラート」は、これまでの熱中症警戒アラートから、一段上に位置づけられたものだ。 気温や湿度などをもとに算出する「暑さ指数」が、都道府県内のすべての地点で「35」に達すると予想される場合、環境省が前日の午後2時に発表する。 また、自治体が冷房設備のある「クーリングシェルター」に指定した施設の開放も義務づける。 フジテレビ経済部・高橋怜央奈記者: こちらの子ども図書館は、クーリングシェルターに指定されています。親子で絵本などを楽しみながら暑さをしのぐことができます。 東京・江戸川区では、4月1日からすでに、区民センターや図書館など区の施設81カ所をクーリングシェルターに指定している。 江戸川区はアラートが発表されていない場合も、気軽に暑さを一時しのげる場所として、これらの施設を開放するとしている。 江戸川区環境部 気候変動適応計画課・佐藤弥栄課長: 熱中症対策として、事前に周知させていただいて、区民の方にも皆さんにも安心してご利用していただく。 熱中症特別警戒アラートの2024年の運用期間は、10月23日までとなる。
激暑で消費冷え込む可能性も
「Live News α」では、消費経済アナリストの渡辺広明さんに話を聞いた。 堤礼実キャスター: ── 今回の試み、どうご覧になりますか? 消費経済アナリスト・渡辺広明さん: 2005年、環境省が地球温暖化対策の一環として、冷房の使用を抑制するクールビズを推奨して、夏場にネクタイをしないようになった。 あれから19年経過した今も、暑い地球を冷ますことはできず、今回の「熱中症特別警戒アラート」運用開始となってしまった。 ただ、国民に暑さに潜む危険に関する危機意識を広く共有することができるため、健康被害を減らす対策としては、適切で必要不可欠な対応と言える。 堤キャスター: ── 暑さは、消費にも影響を与えそうですね。 消費経済アナリスト・渡辺広明さん: 熱中症対策の基本の「キ」である水分補給を主に担うのが、全国に224万台ある飲料自販機と、5万8000店舗前後あるコンビニで、健康被害を防ぐインフラになっている。 コンビニエンスストアの飲料類は売上の10%前後あり、暑さが厳しさを増すほど、売上を積み増す可能性が高くなる。 コンビニでは、気温が上がると飲料以外も、アイスクリームや冷やし麺、さらに制汗剤、フェイスシートなどが売れるため、暑さの長期予想をにらんで在庫の確保が必要になる。 ほかにも、ファッション傘の販売が強い「プラザ」では、晴れの日と雨の日、両方使える兼用傘は市場が2割増しになっているため、品ぞろえを強化している。 ただ、あまりにも暑いと外出を控える傾向があり、消費にマイナスとなるため、暑さによる売り上げ増の期待が空振りに終わるケースもある。