リアル中学受験 「親は教えないでほしい。塾に任せてください」というので塾を辞めました リアル中学受験-わが家の場合
■子供に「戦略」はない
テレビドラマにもなった「下剋上受験」の著者で、産経ニュースで「攻める中学受験」を連載している桜井信一さんは娘を塾には行かせず、全科目を自分で教え、一緒に解いたそうです。そこまで、とは言いませんが、「勉強しなさい」「予習したの」などと言うだけでは何も解決しないことは、皆さん共通の経験ではないでしょうか。
「一緒にやる」ことの大きな利点はもう一つあります。これは桜井さんも述べていることですが、子供は暗記したり、問題を解いたりという勉強そのものはできますが、「戦略」は持っていないのです。まだ小学生なので当然ですが、大人から見れば「どの順番で解くのが効率的か」「どの部分が基礎で、どこからが応用なのか」「どの問題はできて、どの問題はできなくてもいいのか」などが何となくわかってくるのです。
反抗期でもなかった娘は、親が一緒に勉強してくれることを心強く思ってくれたようでした。親から見れば「この問題はできるのに、さっきの簡単な問題はなぜできなかったのか」「これができないのは、そもそも暗記不足だろう」などと気づいてきます。
多少でも偏差値を上げて本人のモチベーションを高めようと、模試前には暗記勉強を繰り返したりもしました。その結果、全体偏差値は50台後半に底上げされ、暗記の社会は60台後半まで伸びたのです。
親子ともども何となく視界が開けたような気がしました。5年生の終わりごろです。さっそく塾の面談で、「実は家で一緒にやっているんです」などと少し得意げに話すと、その塾の先生は顔色を変えてこう言いました。
「親御さんは教えないでください。子供が混乱します」「今は暗記科目ができても仕方がないです」「すべて塾にお任せください」。
その塾で伸びなかったのではないか。私は怒りというより、ここに任せて大丈夫かと思い、その場でこう言いました。
「では、塾を辞めさせていただきます」。妻も二つ返事で賛成しました。
真砂町小町(2女の父、会社員)