【ラジオNIKKEI賞】オフトレイルが重賞初制覇! テン乗り田辺裕信騎手と直線で一気にゴボウ抜き
ハンデ56キロの田辺裕信(40)=美・フリー=騎乗の6番人気オフトレイルが、直線大外から一気に伸びて1分45秒3のコースレコードタイで快勝、重賞初制覇となった。2着はアタマ差でシリウスコルト、3着はヤマニンアドホック。1番人気のサトノシュトラーセはいいところなく9着に敗れた。 ◇ 瞬時の判断で鮮やかな凱旋(がいせん)Vだ。東のローカル開幕重賞は地元・福島県出身の田辺騎手のオフトレイルが4コーナー11番手から豪快な直線一気。1分45秒3のコースレコードタイで突き抜けた。 「開幕週の馬場で普通じゃ考えられない勝ち方。指示を守らなくてもいいことはありますね(笑)」 誇らしい優勝インタビューで殊勲の鞍上がニヤリと相好を崩したのも無理はない。レース前、陣営からは「枠順(⑤番)も内寄りだしあまり下げ過ぎない位置で」(吉村調教師)とのオーダー。しかしゲートが決まらなかったことで、腹を据えて直線勝負に切り替えた。 JRA重賞45勝中、実に18勝を初騎乗でモノにしているテン乗り名人らしい大胆策。地元での重賞4勝目に「ペースも流れていたし(1000メートル通過58秒4)、逆に巻き込まれなくて良かったかもしれません。流れ次第でどんな競馬もできそうなタイプ。僕も福島競馬あと3週間、頑張ります」と満足そうに汗を拭った。 ヌレイエフ系ファーを父に持つ英国産で、みちのくでの狙いすましたタイトル取りを決めた吉村調教師は笑顔。プラス10キロとフィジカル面の成長を示しての快走劇に「ゲートで前掻きをしていたみたいで、出遅れたときはまずいなと思ったんですけどね。体高がない馬ですけど実が入ってきているし、夏を越してもっとよくなると思います。これでひとまず夏休みを入れる予定。秋はマイルから中距離を使っていくことになるかと思います」とさらなる高みをしっかり見据えていた。(内海裕介) ■オフトレイル 父ファー、母ローズトレイル、母の父キングマンボ。鹿毛の牡3歳。栗東・吉村圭司厩舎所属。英国産。馬主はゴドルフィン。戦績7戦3勝。獲得賞金7151万7000円。重賞は初勝利。ラジオNIKKEI賞は田辺裕信騎手が2019年ブレイキングドーンに次いで2勝目、吉村圭司調教師は初勝利。馬名は「道のないところを行く」。