どうなる日本の最低賃金 世界的に見てかなり低い「1000円」超えるか? 審議会で議論大詰め
日テレNEWS
26日午後1時から厚生労働省の「最低賃金」に関する審議会「中央最低賃金審議会」が都内で行われています。経団連など経営側の代表と、労働組合など労働者の代表が出席、まさに両者ガチンコで「最低賃金」の数字をめぐる議論が続いています。 この会議で決まる金額が、全国各地の最低賃金の「目安」となります。正規、非正規、アルバイト、外国人の労働者まで、すべての働く人に関わるのが最低賃金です。 ●“大台突破”なるか? ●理想の最低賃金いくら? 以上のポイントを中心に詳しく解説します。
■最低賃金引き上げなるか… 岸田総理も言及「時給1000円」 実現しても「月給15万円」
26日の審議会で、注目されている数字があります。それが全国平均で「時給1000円」です。 この数字は政府の基本方針「骨太の方針」でも明記され、岸田総理も繰り返し「1000円超え」について言及しています。 現在の最低賃金の全国平均は「時給961円」。1000円を達成するには「あと39円」の賃上げ、史上初の4%という大幅な引き上げが必要です。 「時給1000円」を「月給」に換算すると、いくらくらいになるでしょうか。 労働時間を月150時間で換算すると「月給15万円」です。いまの日本の物価を考えると、疑問を感じる金額です。
■世界的に見てかなり低い 日本の最低賃金 韓国にも抜かれ…
「時給1000円」は、実は世界的に見ても、かなり低い数字です。 先進国と比較すると、日本は最低レベルです。最も高いオーストラリアは1000円どころか2000円を超えています。ドイツ、イギリス、フランスなどG7の国も1700円前後という高水準です。韓国も1023円と、日本は韓国にも抜かれてしまっています。(2023年7月時点 全労連調べ)
■時給で働く人にとって切実な最低賃金 アップしても物価高に追いつかない
最低賃金アップを切実に望んでいる女性に話を聞きました。都内のスーパーで13年間、非正規社員として働いている30代、一人暮らしのサイトウさん(仮名)です。スーパーで買い物をするサイトウさんに同行しました。 サイトウさん 「何か安い物があればと思って」 13年スーパーで働いてきたそうですが、ことし春の時点では時給1092円。東京都の最低賃金は1072円なので、最低ラインぎりぎりの水準で働いてきました。 サイトウさん 「とにかく(値札が)赤字の物を選びますよね。なるたけ安めに済ませたい」 ――今は何で迷ってる? サイトウさん 「入り数です。やっぱりちょっと多いですよね。10円違うとはいえ4パックあれば、こっちの方がいいのかな」 ――10円の差は大きいですよね。 サイトウさん 「大きいですよ。それでこの枚数入っていればって思えば」 サイトウさんはことしの春、勤め先のスーパーと交渉して、時給を200円ほど引き上げてもらうことができました。ただ、ことしの夏、これだけ暑い中でも「エアコンをつけるのも躊躇する」というお話もされていました。 サイトウさん 「やっぱり(物価に賃金が)追いついていない状態なので、(時給が)上がれば(賃金も)上がる形にしてもらわないと、時給で働いてる人たちはたぶん大変だと思いますね」