パリ五輪彩ったあの名言。コメント力強めのアスリートたち。この夏を言葉で振り返る
「最高に楽しい6分間でした」「夢の中では70メートル投げた」「人の失敗は祈りたくない」―。パリのオリンピックでアスリートが発した言葉は、トップ選手ならではのものから、ユニークなものまでバラエティーに富んだ。 【写真】パリ五輪ボクシング女子の性別巡る疑念 IOCが否定
大技で奇跡的な逆転後、翌日の試合に向けて「神様は2回も助けてくれない」と自らを鼓舞し、翌日、見事に金メダルをつかんだ選手もいた。 血のにじむような鍛錬を重ねてきたからこそ、残す言葉には重みがある。オリンピアンのコメントから、パリの夏を振り返ってみよう。(共同通信=大根怜、高田成美、小田智博) ▽逆転の大技「1%の可能性を信じた」 「地獄のような3年間だった」。スケートボード男子ストリートの堀米雄斗(25)は初代王者となった東京五輪後に結果が出ず、ぎりぎりで代表に滑り込んだ。パリ最後のトリックで全選手の最高点をたたき出し、大逆転で連覇。「1%の可能性を信じて、最後に実った」と感無量だった。 陸上女子やり投げの北口榛花(26)は、65・80メートルのビッグスローでこの種目初の金メダルに輝いた。喜びに浸りつつ、独特なエピソードを交えてさらなる記録への挑戦を誓った。「選手村に入ってから毎日、夢の中では70メートル投げていました。夢の中で終わっちゃったものが次はかなえられるように、また頑張りたい」
次の大舞台は、来年東京で開かれる世界陸上。インタビュアーから、その場での記録更新を期待すると言われると「もうちょっと早くがいいです」と笑った。 ▽演技終え、「人の失敗は祈りたくない」 目標に届かなかったからこそ、聞く人の心を動かした言葉もあった。 2連覇を果たせなかったスケートボード女子パークの四十住さくら(22)は思い描いた走りができず、他の選手の結果を待つ間にこう口にした。「最後まで諦めずに、でも人の失敗は祈りたくない」 開閉会式で旗手を務めたブレイキン男子の半井重幸(22)(=ダンサー名・SHIGEKIX)は3位決定戦で敗れ「より輝いた姿を見せたかった」と悔しさをのぞかせた。 それでも、この競技の魅力を伝えられたという手応えはつかんだ。「ブレイキンに出会ったことで、僕の人生がいい方向に生まれ変わった。その稲妻を一人でも多くの人に、特に次世代の子たちに見せて、モチベーションを与えられたら、僕はすごく幸せ」