パリ五輪彩ったあの名言。コメント力強めのアスリートたち。この夏を言葉で振り返る
メダルラッシュのレスリングでは、その選手ならではの言葉も生まれた。 男子グレコローマンスタイル77キロ級の日下尚(23)は2000年生まれ。その年のシドニー五輪女子マラソン金メダリストの高橋尚子さん(52)にあやかって名付けられた。優勝インタビューで、同じ金メダルを獲得した思いを問われると「夢を見てるようです。最高に楽しい6分間でした」と満面の笑み。高橋さんのシドニーでの名言「すごく楽しい42キロでした」を、24年後にパリで受けて見せた。 金メダルの大本命だった女子50キロ級の須崎優衣(25)は初戦で苦杯をなめた。「みんなの努力も無駄にしてしまった。申し訳ない」と絞り出した。 気持ちを切り替えて手にした銅メダル。「オリンピックチャンピオンの須崎優衣じゃなかったら価値がないと思っていた。負けたのに信じてくれて、励ましてくれた方に感謝したい」。勝利だけではない、スポーツの価値を表す言葉だった。