「人と人がつながる瞬間」松山に広がるストリートアート 海辺からシャッター街まで新たな表現が街を彩る
2024年9月、愛媛・松山の大街道商店街のシャッターに突如描かれたストリートアート。そして10月には、北条の海沿いに新たなアートが出現した。松山市でストリートアートが浸透しつつある。 【画像】SUIKOさんのストリートアートをもっと見る
海を背に描かれる曲線の物語
北条の海沿いに2023年12月にオープンしたスケートボード施設『THE PARK sora umi』でストリートアートを制作しているのは、広島出身のアーティスト・SUIKOさんだ。 SUIKOさんは躍動感や生命感をイメージした独自のアートを得意とし、国内だけでなく、香港の大学など世界中に大壁画アートを制作している注目のアーティストだ。 愛媛県美術館で開催中の「バンクシー&ストリートアーティスト展」にあわせて、松山ではストリートアートが注目されている。 9月には、松山市大街道の店舗のシャッターに突如出現した数えきれないネズミのアートが、商店街を通る人たちの話題になった。 そして今回は海を臨む北条。2023年12月にスケートボードとカフェが楽しめる施設としてオープンし、オーナーの希望でストリートアートを描くことになった。しかも、描くのは壁ではなく床だ。 SUIKOさんは「空から見る景色のことを考えていました」と語る。 アート制作の作業は繊細だ。パソコン画面でデザインを見ながら下絵を描き、円を描く曲線部分には1ミリ単位でマスキングテープを貼って、色がはみ出ないよう細心の注意を払う。 取材日は絵を描き始めて3日目の仕上げの作業だった。SUIKOさんが寸分たがわず貼ったマスキングテープに沿って、スタッフが丁寧に色を付けていく。 アート制作を見に来た女性は、「瀬戸内リトリート青凪というホテルに勤めていて、そちらにSUIKOさんの作品が飾ってあるのでその縁から会いたいなと思ったのと、北条に住んでいるので、ザ・パークでお茶に来ることも多いので噂を聞いてきました」と語った。
人と人をつなぐ「WARP」の世界
直線と曲線のデザインに鮮やかに色付けされたこのアート、作品名は「WARP」だ。 SUIKOさんは「人と人とかWARPする瞬間とか興味を持ってて、一人の人と一人の人ってひとりずつが別の宇宙というか、だけどその人と人があるときにいきなり繋がる瞬間があると思ってて、そういうときにWARPが起こると思っていて、そういうときに力が出て違う次元に行けると、そういうことを考えて(作って)います」と語った。 完成した作品は、人と人がつながりワープするイメージを鮮やかに表現している。『THE PARK sora umi』の織田奈南美さんは「アートのよさとかストリートのカルチャーを感じてもらえたらと思います」と期待を寄せる。
街に広がるアートの輪
海を臨む場所に完成した北条のストリートアート。潮風を感じながらその魅力に触れられる、新たなスポットの誕生だ。 今回アートを手掛けたSUIKOさんは、愛媛県美術館で開催中の「バンクシー&ストリートアーティスト展」にも作品を出品していて、松山の各地でアートが注目されている。 (テレビ愛媛)
テレビ愛媛